上写真=中国戦に向けて意気込みを語った森保一監督(写真◎山口高明)
遠藤航をキャプテンに指名
ーー明日の試合に向けての現在の心境。
「カタール・ワールドカップに向けて明日試合ができることに尽力してくださった皆様に感謝も申し上げます。明日の試合は、自動出場権を獲得するためにも勝利をつかみ取りたいと思っています。試合に向けて与えられた時間の中で、選手も最大限の準備してくれていますし、チームとしても良い準備をしています。選手たちには思い切ってプレーしてもらい、チーム一丸となって戦って勝利をつかみ取りたいと思います。勝利で、サポーターのみなさんに、われわれを応援してくださっている皆様に、そしてコロナで大変な思いをしている皆様に、笑顔になっていただく、喜んでいただくということ、この大変な状況の中で困難な生活を強いられている方々に、元気や勇気、粘り強く戦う根気を感じてもらえればと思います」
ーー吉田麻也、冨安健洋が不在の中でいかに戦うか。選手に強調したことはあるか。
「これまでの代表活動の中で、吉田麻也、冨安健洋がチームにもたらしてくれたもの、貢献度は非常に大きなものがあると思います。その意味で麻也、トミが今回の代表戦に参加できなくなったことは残念ではありますが、一番痛い思いをしているのは本人たちだと思いますので、まずはケガを治して、充実したプレーができるように回復を願いたいと思います。そしてわれわれですが、麻也とトミの出ていたポジションには新しい選手が入ります。また新しく入る選手たち、そしてチームとしてもコンビネーション等々、確認して明日の中国戦に臨むことになります。
代わりに入ってくる選手ということではなく、この状況の中で出場するということ、力の持った選手たちがピッチに立ってくれると思いますし、彼らは普段から所属チームで存在感を発揮して、力のあるところを見せてくれているので、この代表に参加してもらっています。自信をもって思い切ってプレーしてほしい。誰かが欠けたから戦力が落ちたということではなくて、日本にはたくさん良い選手がいます。明日の中国戦に向けてプレーできる選手で一丸となって戦って、日本の総合力で勝利をつかみ取りたいと思っています」
ーー今回のキャプテンは?
「今回の活動で、遠藤航にキャプテンの役割を担ってもらうことになりました。昨日、全員がそろったときにのミーティングで航にキャプテンを、と伝えました」
ーー11月のオマーン戦のハーフタイムで監督と話し合っていた場面について吉田選手が「元々、フォーメーションが2パターンあってどうするか」について話したと言っていた。他の選手には聞いていない選手もいたようだが、その役割はキャプテンだからか、吉田選手だからか。今回の活動でその役割を担うのは?
「いまの質問については、キャプテンだからということと、伝えるべき選手には伝えるということで、すべて決まったルールがあるわけでないです。キャプテンにはチーム全体を見てもらうために伝えるべきかなと思いますが、試合をする上でキーになる選手だったり、ポイントとなる選手には戦術の変更であったり、選択肢であったりをこれまでも伝えてきました。それは選手のキャラクターにもよりますし、戦い方の状況にもよるということを理解していただければ」
ーー明日の試合は誰に伝えるか決めているか。
「チーム全体に今回、伝えています。まずは明日の対戦相手である中国の情報がほとんどないということで、これまでの中国の戦いと監督が代わってからの中国の戦いがどれだけ違いがあるのか、分からないなか、チーム全体で相手の状況を見ながらわれわれがやるべきことを実行していくということをトレーニングの中では確認しながら進めてきています。明日の試合で誰に、ということは航にはもちろん伝えたいと思いますが、ポイントとなる選手たちにも試合までの間に伝えたいと思います。ただ、あまり選択肢を与えすぎると、選手たちも一つのことをやっていくだけでもかなりの集中力がいるなかで、何でもかんでもというのは思い切ったプレーができなることにもなるかもしれないので、そこは見極めて発信したいと思っています」
ーー中国代表の李霄鵬(リー・シャオペン)新監督について。
「一つだけで分かっていることは、彼が武漢で監督がやっていたということ。その情報だけですね。中国の代表監督になってから、彼がどういうふうチーム作りをやっているかということはまったく分かりません」
ーー遠藤選手がキャプテンに決まった理由は? ほかにも経験のある選手がいるが。
「まずはチームの中心として、これまでにもわれわれの活動の中でプレーをしてくれているということ。そしてポジション的にも攻守のつなぎ役で、左右のつなぎ役で、チームの真ん中のポジションでプレーしてくれているということで決めました。他にも経験のある選手もたくさんいますので、候補として考えた選手はいまずが、ポジション的にもチームの中心でプレーしてくれているので、指名させてもらいました。これまでの日本代表を継承していくという意味でも、キャリアを重ねた選手たちよりも、経験のある選手にも若手にも両方の層にコミュニケーションを取れる航ということで決めました」
ーー攻撃について。中国に守りを固められる可能性もあるが、どうやってゴールをこじ開けるのか。そのイメージは?
「前回対戦したときに、中国がリトリートした戦いを仕掛けてきたということがありますが、同じような戦い方で来るかどうかは、監督が代わった中で分かりません。監督代わって1試合目ということでかなり高いモチベーションで来ると思います。彼らがアグレッシブに来ることも想定しながら、気持ち部分、そして戦術的にも準備したいと思います。われわれは、できるだけ主導権を握って戦うことを目指していきたい。その中で攻撃の優先順位としてこれまでやってきいたことを選手たちには発揮してもらいたいと思います。ボールを奪った瞬間、相手のゴールに向かえるのであれば素早くカウンターを仕掛けるということ。それができなかった場合はしっかりボールを握りながら、相手の背後を突いていく、高い位置で起点をつくる。かつ相手が内側を締めてきたらサイドからの攻撃を仕掛けてサイドを崩しにいくということ。状況によって、選手たちに使い分けてもらえればと思います。前回の対戦ではクロスからゴールということで得点しましたが、その攻撃パターンもしっかり持ちながら中国がどういう守備の戦術をとって来るかで、臨機応変に対応してもらえるように、選手たちに考えながらプレーしてほしいと思います」