1勝2敗。カタール・ワールドカップの出場権をかけて戦うアジア地区最終予選で厳しい現実を突きつけられている日本が、10月12日に勝負のオーストラリア戦を迎える。長友佑都はこの逆境をはねのけるために、冷静な分析と情熱の魂の両方を携えてこの一戦に臨むつもりだ。

上写真=長友佑都が逆境をはねのける決意を厳しい表情で語った(写真◎スクリーンショット)

「そこから先につながっていない」

「負けたということで実力不足です。責任を感じています、ベテランとして」

 サウジアラビアに敗れたあとのこの一言から2日、長友佑都は逆境を突破する強い決意を露わにした。結果を受け止める。前を向く。強い気持ちを持つ。課題を話し合う。そして、すべてを信じ抜く。過去の多くの経験が、それがカギだと説いている。

 そのためには、冷静な分析が必要だろう。何が最も問題だったのか。

「普通にセットした状態ではやられないと思いますが、自分たちで持っている時間に失い方が悪くてピンチになっています」

 ボールがこちらにあるということは主導権を握っているはずだが、ミスで失い一気に局面が暗転する。失点の場面だけではなかった。長友は多くの選手が指摘するのと同じく、ポジショニングのズレがミスを引き起こしていると考える。

「ポジショニング、位置関係、距離感だったり、例えば、僕からボランチに出したときに、そこはつながっているけれど、そこから先につながっていないと思います。サウジアラビア戦は暑い中で、奪ったあとに疲弊してちょっとポジション取りが遅れてしまったり」

 改善への象徴的なアクションが、10月9日の練習後にピッチの脇で見られた話し合いだ。長友の説明によれば自然発生的に集まったもので、吉田麻也、酒井宏樹、冨安健洋、遠藤航、南野拓実と6人で、主にビルドアップについて話したのだという。

「詳しくは言えませんが」と断った上で、こう明かす。

「いまのポジションのままで回しても相手ははめやすいと思います。一人ひとりがポジションを変えながら、わざとスペースを空けておいてそこに誰かが入ってくるということも出していかないと、相手はプレッシャーをかけやすいと思います」

 正しいときに正しい場所に選手が立つ。そのことを、ほかの選手や森保一監督ともさらに深いコミュニケーションを取っていると強調した。ポジションにとらわれすぎず、かつ有効性の高いポジショニングがオーストラリア戦の行方を左右しそうだ。

「このチームは実力を持っています。結果がついてこないのは悔しくて残念だけど、次の試合で勝利をつかめるという強い気持ちを持って進みます」

 静謐な分析と情熱的な闘魂の両方を携えて、いざ勝負のオーストラリア戦へ。


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