日本代表は7日、FIFAワールドカップ・アジア最終予選の第2節、中国戦に臨んだ。守備に軸足を置く相手を押し込んだ日本は前半に大迫勇也がゴールをスコア。後半は相手が攻めに出てきたが、集中したプレーでリードを守り切り、勝ち点3をつかんだ。

上写真=均衡を破るゴールを挙げた大迫勇也とアシストした伊東純也(写真◎Getty Images)

■2021年9月7日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選(@ハリファ・インターナショナルスタジアム)
中国 0ー1 日本
得点:(日)大迫勇也

画像: ■2021年9月7日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選(@ハリファ・インターナショナルスタジアム) 中国 0ー1 日本 得点:(日)大迫勇也

「みんながチャレンジ精神になれたのがよかった」

 日本は序盤から圧倒的にボールを握り、相手を押し込んだ。最終ラインと中盤で5-3のブロックを組む中国に対して、中盤のサイドのスペースを使いつつ、パススピードに変化をつけて縦パスを打ち込んでいく。21分には遠藤の縦パスのこぼれ球に反応した古橋がボックス内でシュートを放ち、22分には大迫とのワンツーでボックス右に進入した久保のシュートがポストを叩いた。

 セカンドボールもほぼ日本が回収。カウンターも許さず、日本の時間が続いた。相手が自陣深く引きこもったために、容易にボールを持てた面はあるが、オマーン戦とは異なり、アグレッシブな姿勢をピッチで示す。パススピードも格段と早くなった。ただし、相手を押し込みながらもなかなかゴールを奪えない。38分には久保が遠藤のワンツーからミドルシュートを放ち、相手GKがセーブした跳ね返りを伊東が素早く回収。大迫につないだが、フリーで放ったシュートがポストを叩いた。

 ボールを握り、チャンスを作っても、決め切れない状況が続けば、相手に守備のリズムを与えてしまう。それは避けたいところだったが、ビッグチャンスを逸した直後に日本は待望のゴールを生みだす。右サイドで伊東が仕掛けてラインを突破。中央にする鋭いクロスを入れると、中央で大迫が飛び込み、右足でボールに触れてネットを揺らした。

 1-0と日本のリードで前半を終え、迎えた後半。中国は点を取るために守備専従から一転、攻撃に重心を傾ける。高い位置からプレスも実践し始めた。日本も最初は相手の変化に受け身になったが、徐々にスペースを見つけてボールを動かし、中国のプレッシャーをいなしていった。一方でリスク管理しつつ、攻め筋を探っていく。古橋が負傷交代し、原口を投入。伊東に代えて鎌田もピッチに送り、活性化も図った。

 互いに次の1点を取りにいったが、結局ゴールは生まれず。後半は前に出てきた相手に押し込まれる時間もあったが、日本が1-0でゲームをしっかり終えて勝ち点3を手に入れた。

 アウェーゲームで勝利を手にした日本の森保一監督は「(選手たちが)リバウンドメンタリティを見せてくれて、この中国戦に向けて気持ちを切り替えて良い準備をしてくれました。一人ひとりがしっかり戦う、そしてチームとしてもう1回、日本らしく戦っていこうということで、きょうみんなで走って、戦ってくれて勝利をつかみ取ってくれたと思います。みんながチャレンジ精神になったのがよかったと思います」と試合を振り返った。

 日本の時間帯が続いた前半のうちに追加点を奪えなかったこと、そして後半、決定機に決め切れなかったことは反省点だが、最終予選に簡単な試合などない。後半、相手がやり方を変える中でもピンチを招くことなく落ち着いて対応し、無失点で勝利をつかんだことは、最終予選未経験者も多いチームにとって自信になるだろう。

「W杯出場に向けて厳しい戦いはまだまだ続くと思いますが、きょう勝ち点3を取れて、一つ前進できたと思います。厳しい戦いを常に覚悟して一戦一戦、ベストを尽くして戦うということ、また粘り強く戦ってチームで前進していけたらなと思います」(森保監督)

 これで日本は1勝1敗。決してベストではないものの、カタールW杯へとつなげていける結果は残した。来月、10月シリーズでは敵地でのサウジアラビア戦とホームでのオーストラリア戦を戦う。今予選の最大の山場。9月シリーズで出た課題をきっちり把握し、修正して臨むことが重要になる。


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