上写真=カタールで中国戦に向けてトレーニングする中山雄太(写真◎JFA)
五輪の悔しさをエネルギーに
「初戦でもありホームでもあり、勝たなければいけない一戦に対して結果を出せなかったことは選手全員が責任を感じています。全員が強い気持ちを持って、勝利をつかむ強い決意で臨めていると思います」
初戦のオマーン戦を落とし、中国戦に臨む心境を問われて中山は言った。
「相手というよりも、自分たちがしっかりやるべきことをやる。個人的な意見ですけど、連係があまり良くないシーンもあったと思いますが、そこは準備がすべてだと思います。自分たちはもっとできたんじゃないかと。しっかりと準備ができた上なら、負けであってもまた違う」
ベンチから戦況を見つめた初戦の問題点として準備の不備を挙げ、チームとして力を出し切れなかったことを悔やんだ。もちろん、次戦以降は自分自身が出場して勝利に貢献したいという思いは強い。
「五輪で感じた悔しさはエネルギーになっています。まずは所属チームでやっていくこともそうですし、レベルの高いチームに勝っていくこと、ワールドカップは僕の中の指針になっています。最終予選で、その悔しさをパワーに変えて出していきたい」
所属するズヴォレではボランチでプレーし、代表ではサイドバックでプレーすることが濃厚だが、「CBというオプションは無くなっていますが、サイドバックとボランチをやることは、(ヨシュア・)キミッヒなんかもそうですけど、チームでボランチやりながら代表でサイドバックもやる。現代ではトレンドになってきていると思うので、そこに挑戦できているのは楽しいですし、クリアにやれています」と、持ち味である万能性をチームのために最大限発揮するつもりでいる。
サイドバックとして「(自分は)試合を落ち着かせられると思いますし、(前に)行くべきか行かないべきか、外でプレーするか中でプレーするかを判断して、相手が自分をつかみづらい状況をつくれると思います。長友(佑都)選手のように縦への推進力は課題だと思いますが、そこもチャレンジしたい」とチームで自分が何をもたらすことができるか、イメージできている。
五輪期間中に、酒井宏樹からは「プレッシャーは五輪の比じゃない」と、最終予選の怖さを説明された。しかし中山自身はまだ試合に出て体感していないからこそ、やれること、やるべきことがあるという。「怖さを知らないうちに、若手が力を出していければ」と、東京五輪が融合する意味についても語った。
五輪で左サイドバックとして手応えをつかんだ中山。中国戦で出場機会は訪れるか。