上写真=伊東純也は「初戦よりもコンディションはいい」と実感していて頼もしい(写真◎JFA)
「動き出すので見てほしい」
0-1で敗れたオマーン戦を振り返り、伊東純也は仲間には自分にパスを出すことを、自らには遠慮なく突破していくことを要求することにした。
「監督とも個人的に話しました。オマーン戦では自分たちの良さを出せなかったし、個人としてもサイドに張るのか中に入るのかはっきりしなかったので、攻撃も守備もポジショニングについて話をしました」
オマーンが日本対策として中央に人数をかけて壁を築いて、こちらが狙いたい場所を人で埋めてきたことで、リズムを崩した。
「引いた相手にはサイドを攻略するのが一番で、オマーン戦でそうでしたけど、サイドでコンビネーションでボックスまで入っていく場面が少なかったので、ランニングしたりドリブルで仕掛ける場面を増やしていきたい」
だからまず、ランニングの回数を増やして、そこにボールを呼び込むつもりだ。
「背後へのランニングは絶対に必要だと思いますし、オマーン戦でも(吉田)麻也くんから1本ありましたけど、ああいう場面を増やしていきたい。(柴崎)岳にも、動き出すので見てほしいと話しました」
どんどん出してくれ、という要求だ。「麻也くんから1本」というのは、28分のシーンのこと。左サイドで吉田がボールを持って顔を上げると、逆サイドからゴール前に斜めに入っていってロングパスを受けてフィニッシュ、GKにブロックされたが、走ったところにどんどん出してもらうことが攻略のカギを握るというわけだ。
あるいはサイドに開いて受ければ、ドリブル突破だ。
「いい体勢で受けられることは少なかったですけど、映像を見ると、相手が来ている場面でもかわして仕掛けていける場面があったので、相手がいるところにパスが来ても、シンプルにもっと貪欲に仕掛ければよかった」
決して消極的になったという認識はないが、「うまくサイドを揺さぶろうという話をしていたので、自分のところに来たらまた逆へという意識で、自分に入ったときにバックパスをしたり横に出したりすることがいつもより多かったと思います」。チーム戦術と自らの突破力を生かすバランスの問題を見出した。
だから、もう単純に「仕掛ける場面が少なかったので、無理な体勢でも貪欲に仕掛けていこう」というのが中国戦のイメージだ。
出してくれ、そして突破せよ。伊東はオマーン戦で消化不良だった分も、自分らしく右サイドを駆け抜けるつもりだ。