日本代表MF川辺駿が素晴らしいプレーで勝利に貢献した。6月15日のキルギス戦で先発出場し、アシストを記録するなど攻守に活躍。多くの出場機会を得た活動を良い形で締めくくり、今後への大きな期待を抱かせた。
上写真=ボランチの一角でフル出場して勝利に貢献した川辺(写真◎JMPA毛受亮介)
■2021年6月15日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@吹田/リモートマッチ)
日本 5-1 キルギス
得点者:(日)オナイウ阿道3、佐々木翔、浅野拓磨
(キ)ミルラン・ムルザエフ
「チームに帰ってもやらなければいけない」
27分に先制した日本は31分、川辺の見事なプレーから2点目を奪った。右サイドでMF坂元達裕にボールを預け、リターンを受けると一気に加速。キルギスの選手3人をドリブルで振り切ってエリア内に侵入し、GKとDFの間を通す高速グラウンダークロスでFWオナイウ阿道のゴールをアシストした。
「ディフェンダーも来ましたけど、うまく抜け出して、キーパーとディフェンスの間に良いボールを入れることができた。阿道があそこに入ってくるのは分かっていて、アイコンタクトを取った瞬間に裏を取ってくれたので、そこに出すだけでした」
突破からクロスまでのイメージを、このように振り返る。持ち味の一つである3列目からの飛び出しで得点に絡み、「(今回の活動で)あまり飛び出しがなかったので、少しのチャンスがあれば飛び出していこうと思っていました。決定機を作れてよかった」と納得の表情を浮かべた。
先制点の場面でも、森保一監督が求める素早い切り替えを実践。自らの左サイドへのパスはミスとなったが、前線にパスを送ろうとする相手選手にフルスプリントで体を寄せてミスパスを誘発した。そこから日本は右サイドに展開、センタリングからのオナイウのヘッドを相手が手でブロックしてPKを獲得し、オナイウが決めて均衡を破っている。
国内組合流後の今回の活動で、試合を重ねるごとに存在感を放った。6月3日のU-24日本代表戦は62分から交代出場し、A代表初先発となった7日のタジキスタン戦では国際Aマッチ初ゴール。11日のセルビア戦では後半開始から交代出場し、チームの流れを好転させた。この日もフル出場して光るプレーを見せ、今後への期待を膨らませて活動を締めくくっている。
「アシストという結果を出せたのが重要だった。まだまだの部分も、もちろん多いですけど、自分が生き残るためには少しでも結果が必要だったので、よかった」と振り返る。一方で「球際、守備の部分で奪い切る力や、奪い切った後に打開していく力などが、もっと必要になってくると思う。ボランチで代表に入っている選手の多くは、その部分が強い選手が多いので、常に入っている選手に見劣りしないくらい成長させなければいけない」と課題も挙げた。
今後はサンフレッチェ広島に戻り、さらなる成長を期す。ボランチに求められる守備力を「代表に来てボランチの選手を見ると、そういう部分が強い選手が多い。それだけでも刺激になるし、まずは追い付かないと、という気持ちで、チームに帰ってもやらなければいけない」と捉え、「レベルの強い相手になると、より、そこが重要になってくる。帰ってから、少しでも成長した姿を見せられるように頑張っていきたい」と力強く語った。