上写真=オンラインで取材に応じた原口元気(写真◎スクリーンショット)
今季最後のチャンスに結果を残せるように
5月・6月シリーズで日本はここまで4試合を戦った。その中で原口は、すべての試合に出場しているものの、U-24代表との試合とタジキスタン戦に先発しながら前半のみので交代。ミャンマー戦とセルビア戦は後半途中からの出場で時間は限られていた。決してプレー機会がなかったわけではないが、原口自身は、悔しい思いを抱えていた。
「自分のパフォーマンスに納得がいっていないので。出場時間も含め、仕方がないのかなとは思っていますけど。ただ残り1試合あるので、自分自身も結果を残し、今シーズンを締めくくれたら最終予選に向かっていけると思う。前線にすごく良いタレントがいる中で、1試合1試合、生きるか死ぬかでやっている。(今シーズンの)最後のチャンスにしっかり懸けて、自分自身で結果を残せるようにやりたい」
これまで原口が主戦場としてきた左サイドは南野拓実が務めることが多く、トップ下は鎌田大地のものになりつつある。右サイドは伊東純也の定位置となっており、3月の活動に参加していなかった原口は今シリーズ、先発機会はあったものの、常に一番手というわけではなかった。さらに9月から始まる予定の最終予選では、東京五輪を終えたU-24代表の選手たちも加わってくる。ますます激しい競争が予想されており、訪れた出場機会にしっかりとアピールすることが重要だ。そうした状況が、原口の言う「生きるか死ぬか」という危機感につながっているのだろう。
ただ難しいのはクラブと代表で役割が異なっていることだ。「クラブではシーズンを通してほぼ真ん中でプレーしていて、代表ではサイドでプレーする。簡単に言うとフィジカル的な部分で求められるものが違う。真ん中でのプレーに慣れている自分としては、サイドでのアップダウンは久々で、体力的に違う部分があった。今回、そのことを認識しました」。クラブ仕様の自分を、代表仕様に変える難しさを改めて感じたという。「おそらく(新シーズンからプレーする)ウニオン・ベルリンでも真ん中でプレーすると思いますが、代表に来たらサイドということで、コンディションの部分を考えなければいけないと思います」。今後に向けて、何をすべきか、原口は整理していた。
今シリーズでは、吉田麻也がU-24代表に合流し、大迫勇也は負傷のためにチームを離れたことで、本人いわく「小学生の時以来」というキャプテンとしてピッチに立つ機会を得た。「普段から引っ張ることを意識している」ものの、森保一監督から「チームを引っ張る姿勢を評価している」との言葉とともに、キャプテンマークを託され、「その思いはいっそう強くなった」。代表でプレーすることに大きなやり甲斐と誇りを感じる原口にとっては、さらに代表への思いを強めることになったかもしれない。
「チャレンジしなければ成功しないので、ミスってもいいのでどんどんチャレンジして、1本2本しっかり成功させたい。それが一番の印象に残るプレーだと思いますし、ポジション争いや評価を高めていく上で、大事な部分だと思う」。今シリーズのラストゲームであり、今シーズンの締めくくりでもある15日のキルギス戦で、アグレッシブにプレーすると誓う。代表で居場所を確保し、定位置を奪うために、原口は前のめりの姿勢でピッチに立つーー。