吉田麻也、冨安健洋がU-24日本代表で活動する中で、日本代表に選ばれたセンターバックはチーム戦術の理解と自己アピールに挑んでいる。中谷進之介もその一人。所属する名古屋グランパスで堅守の要となる25歳が、日本代表の一員として感じる「欲」とは。

上写真=吉田麻也、冨安健洋に続くセンターバックに名乗りをあげる中谷進之介。フィードが魅力だ(写真◎JMPA兼村竜介)

「水を漏らさないことは一番大事にしています」

 中谷進之介は、確かな「欲」を胸にいま、日本代表のジャージーを身にまとう。

「僕にとってはチャンスのある代表期間です。吉田選手と冨安選手が(U-24日本代表に合流していて)いない中で、残り3試合でチャンスは来ると思っていますし、結果を残して自分のプレーを見せたいと思っています」

 チャンスが来た。つかむかつかまないかは自分次第。

「自信というか、残り続けたいという欲の方が大きいですね。レベルの高い中でプレーできることを魅力に感じているんです。経験のある選手にどう食い込むか、チャレンジできることに意義を感じています」

 6月3日のU-24日本代表との試合では出場はなかったが、しっかりと仲間たちのプレーを研究した。

「板倉(滉)選手はボール扱いが素晴らしいですよね。谷口(彰悟)選手は安定感があって、ミスをしないというかすべてにおいていいプレーをしています。植田(直通)くんは昔から知っていますけど、強さが引き続きありますし、(昌子)源くんはフォワードとの駆け引きがうまくて、林大地選手とマッチアップしたとき間合いを空けてトラップした瞬間につつきにいったりしていて、Jリーグでも見せているうまいところがありました」

 では、中谷自身はどんなプレーで勝負を仕掛けていくのか。

「前回の試合(U-24日本代表戦)は、後ろから大迫(勇也)選手に入るボールが少ないと感じていました。試合に出たらそこのところは意識していきたいと思います」

 ワールドクラスのポストプレーヤーを生かさない手はない。所属する名古屋グランパスでも、前線にくさびを打ち込むパスを通すのは得意だ。

「2列目に強みがあるのは感じます。鎌田(大地)選手や南野(拓実)選手と間で上手に受けられる選手がいるのは強みです。あとは奪われたあとの切り替えはすごく速いですし、そこからの球際にこだわっているので、スタンダードはすごく高いと感じています。僕が生かしたいのは、前線にスペシャルな選手がいるので早く出すところ。それがセンターバックとして大事になってきます」

 もちろん、守備から作り上げていく意志に変わりはない。それが森保一監督に求められるものだし、名古屋でマッシモ・フィッカデンティ監督から注入されたフィロソフィーでもある。

「守備のところは最低限意識して、水を漏らさないことは一番大事にしています」

 水も漏らさぬ、というその表現が、まさにプレースタイルを表しているだろう。

「前から奪ってプレッシャーをかけられる選手が多いので、ラインを高く設定して背後をケアしながら前線でつぶすことが大事だと思います」

 日本代表の守備組織をそう理解する。

「自信はまだまだです。練習や試合で結果を残せばついてくるものです」

 ワールドカップ2次予選の残り2試合とセルビアとの親善試合は、最終予選とその先に向けた強化への大事な3試合になる。それは、中谷が大きな自信をつかむための270分でもある。


This article is a sponsored article by
''.