上写真=3月25日の韓国戦で代表デビューして初ゴールも記録。山根視来が今度は「仲間」と勝負する(写真◎小山真司)
「無理やり上げていく意識はあえてやっていました」
日本代表初出場で初ゴール。3月25日の韓国戦でド派手なデビューを果たした山根視来は、この6月シリーズでもメンバー入りを果たした。
初めての代表活動は山根にとてつもなく大きな刺激を与えた。川崎フロンターレに戻ってからは、鬼木達監督もチームメートも山根の目の色が変わったと口々に話し、山根自身も「Jリーグで突出した存在になる」と決意していた。あれから2カ月。
「自分がいままでやってきたプレーを出すことが大事だと思っていますし、前回の活動で得た経験を2カ月ぐらい川崎で意識して取り組んできたので、この2カ月ちょっとでも変われたことを出していければいいと思っています」
その2カ月の間、川崎Fで13試合を戦った。10勝3分けと相変わらず圧倒的な強さを誇るチームで右サイドバックとして君臨してきた。
「しっかり周りを見てサッカーができるように少しなったところと、あとはインテンシティ、強度の部分は1日、2日で身につくものではないので継続が大事ですし、その環境に身を置くことが大事だと思っています。環境面で海外に比べてJリーグは強度の点では劣ると思っているので、無理やり自分でも上げていく意識は連戦の中であえてやっていました」
5連戦、5連戦、3連戦という過酷な日程でもフルタイムで走り抜け、しかも自分自身に高強度の負荷をかけ続けてのプレーとなった。2カ月は短い時間かもしれないけれど、その間の成長ぶりを日本代表のチームメートに、森保一監督に見せるつもりだ。
「がっちりいってやりたいと思います」
およそ2週間の活動の最初に組まれたジャマイカとのテストマッチがキャンセルとなり、U-24日本代表との「兄弟対決」が実現することになった。「弟チーム」には同じ川崎Fでプレーする三笘薫、旗手怜央、田中碧がいる。
「勢いがある選手がたくさんいますし、マッチアップする可能性のある選手が(川崎Fの)チームメートなので、その顔が浮かびました」
U-24の左ウイングに三笘が入れば、右サイドバックの山根が迎え撃つ格好になる。日常のトレーニングで対峙しているとはいえ、公の場での対決となればなおさら負けられない。
「普段、チームメートで頼りになる存在なので、相手にしたらやっかいな選手になると思います。でも、こっちも負ける気はサラサラないので、がっちりいってやりたいと思っています」
川崎Fの弟分の特徴はよく分かっている。それを日本代表の選手たちと共有して強みを消す作業は抜かりなく行うという。
「もちろん、こういう試合になりましたけど、僕たちは真剣勝負をやっているので、どんな手段を使ってでも勝ちたいと思っています」
山根vs三笘。面白いバトルが見られそうだ。