上写真=川島永嗣はミャンマー戦でフル出場。失点を許さず、最終予選進出を決めた(写真◎Getty Images)
「年齢に関係なくピッチに立ちたいと思うのは当然」
川島永嗣38歳、権田修一32歳、シュミット・ダニエル29歳、中村航輔26歳。日本代表に選ばれたGKの中で、川島が最年長に当たる。
「あまり考えたことがないんですよね。年上だからこういう振る舞いをしなければいけない、と考えたことはないし、たくさん経験しているから背中で見せなければいけないと考えたこともありません。自分は選手として、年齢に関係なくピッチに立ちたいと思うのは当然のことだから」
南アフリカ、ブラジル、ロシアと3つのワールドカップで計11試合にフル出場するなど、92キャップの積み上げは頼もしい限り。でも川島にとってはそんなに難しいことではなくて、ピッチの上でプレーしたいかどうかが基準だ。年齢や経験、キャリアは順番を決めるためのものさしではなく、「特徴」でしかなくて、そして、川島はまだプレーしたいと強く思っている。
いまの日本代表にあって、川島ができることはどんなことだと考えているのだろうか。
「そこは探し続けなければいけない部分だし、簡単に答えが出るものでもないですよね。非常に考えさせられる部分です。どうやったらワールドカップでベスト8以上に行けるのか、という部分の差は小さいところだし、でもその小さい差が大きな差に変わっていきます。チームとしても個人としても小さな差をどれだけ埋めていけるかは自分のチームでも代表でも感じるところです」
もちろん、若いGKは川島の背中を追いかけるだろうが、だからといって川島が何かを変えることはない。
「常にいい方向に、チームにプラスになるようにと考えていますし、自分がチームの中でネガティブな存在になることは意図していません。選手として自分がやるべきことをやるだけだと思っていますし、それがチームのプラスにつながってくれたらいいと思います。こうしなければいけない、経験を伝えなければいけない、ということは考えていないですし、みんなそれぞれ特徴も野心も持っています。一人ひとりがレベル上げる意識は持っていますし、キーパーグループの中でそれを大きくしていけるかという部分だと思っています」
懸念されることがあるとすれば、まだ“試されていない”ことだろう。2次予選の対戦相手とは力の差がありすぎる。
「2次予選で残す結果は、自分たちは満足する必要はありませんし、むしろより高いレベルで難しい状況に置かれたときに何ができるかが一番の自分たちのポイントになります。残された時間の中でどれだけ意識して突き詰めていけるかが一番大切になってきます」
こうして、川島の旅はまだまだ続く。答えを見つけるためにピッチに立ち続けながら。