ミャンマー戦に10-0で大勝した日本代表の中でも際立った働きを見せた。トップ下で躍動した鎌田大地だ。巧みなスペースメイクとスペース利用でチームの攻撃力を引き出し、ゴールラッシュを導いた。試合翌日の29日、取材に応じた。

上写真=28日のミャンマー戦で先発フル出場を果たした鎌田大地(写真◎山口高明)

自分はそこまで点を取るタイプではない

 間で受ける能力の高さが際立った。ミャンマー戦はトップ下で出場し、左サイドハーフの南野拓実とともに相手ボランチの脇のスペースを『シェア』しては攻撃を活性化させた。先制ゴールも鎌田がCBの吉田麻也からボールを引き出して、ワンタッチパスを繰り出し、南野のゴールを演出した。

 スペース活用術の見本のようなプレーぶりを披露し、3月シリーズに続いて代表チームにおいてしっかり存在を示してみせた。試合翌日に取材に応じた鎌田は「すごく引いてくる相手だったので、ワンタッチとかを使っていかないと崩せないと思っていた。それについてはみんなでいい感覚でいいアイディアでプレーできたと思います」と、チームの『共有』を評価した。

 ミャンマー戦ではチームの8点目もスコア。右サイド深く進入した室屋成のグラウンダーのクロスを大迫勇也がスルー。ボックス内で待っていた鎌田が右足を振り、ネットを揺らした。自分自身について「そこまで点を取るタイプではない」と語り、周囲と連係することでチャンスやゴールを生むアタッカーだと説明する。連動性を求めるチームの狙いが形になり、得点を生んだことは、相手と力の差があったにせよ、鎌田も手ごたえを感じるプレーになった。

 戦況を把握し、的確にプレーを選択する鎌田の能力が、いま着実に代表チームで発揮されるようになっている。後半途中からチームは4-2-3-1から4-3-3へと陣形変えたが、南野とともに1トップの背後に並ぶ2シャドーのような位置に入った。ポジション変更直後こそ周囲と呼吸が合わない場面もあったが、ボールを引き出し、仲間を生かすプレーで次第に攻撃を機能させていった。「(システムチェンジは)相手に合わせるというよりも僕たちがチャレンジしてみたいことでもあると思う。試合内容も余裕があったので色んなことを試しているのかな」と、指揮官の意図を汲み取る。「まだそこまで強いチームとやっていないし、昨日の試合だけでは何とも言えない」としながらも、トライそのものを歓迎した。

「基本的に総合値はある程度あるかと。(自分は)何でもできるのかなというのは思います。フランクフルトの他のチームの選手とは一緒にやってないから分からないですが、突出したものはないですけど、総合値は普通の選手よりは上なのかなと思います」

 突き抜けた何かがあるわけではないが、何でもできる強みがある。それこそが鎌田のスペシャリティー。ピッチにいることで攻撃が『回る』のも、道理だ。間違いなくミャンマー戦の大勝を導いた立役者の一人だった。


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