上写真＝30日のモンゴル戦で1トップを務めた大迫勇也。圧倒的な存在感を示した（写真◎小山真司）
■2021年3月30日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選（＠フクアリ/無観客）
モンゴル 0-14 日本
得点者：（日）南野拓実、大迫勇也3、鎌田大地、守田英正、オウンゴール、稲垣祥2、伊東純也2、古橋亨梧2、浅野拓磨
後ろの選手にできるだけ前に付けてくれと言いました
いささかの気の緩みもなかった。徹頭徹尾、ゴールを目指した。日本は14ゴールを叩き込んだが、1トップに入った大迫勇也はそのうち3点を挙げ、ハットトリックを達成。ネットを揺らした時間を見れば、ゴールへの意欲が分かるだろう。最初が23分。チームの2点目だ。次に記録したのは55分で、このゴールはチームにとって後半最初の得点だった。そして最後が90＋2分。13点目。アディショナルタイムに入ってもなお、どん欲にゴールを目指した。
「良い時間帯に点を取れて、そのあとも緩めずに前から行けたのが大きかった。今まではどちらかというと時間を使ったりするプレーも多かったんですけど、今日はできるだけ前に付けてくれと後ろの選手にも言いました。後ろの選手がそれをしっかりとやってくれた結果だと思います」
日本が得点を積み重ねていく過程で印象的だったのは、大迫がゴールのたびに味方を鼓舞していたことだ。緩めずにもっと点を取りに行くと声をかけていた。
「前半を6-0で終わったあと、後半も45分あるわけで、もったいないですし、やるからにはしっかり点を取ろうという話は全員でしていました。それが出せたと思います」
点差が開いてもなおゴールを目指し続けた理由について問われると、大迫は「前の選手なので、普通じゃないですか」ときっぱり。まさしくストライカーの答えだ。その姿勢で、チームをけん引し続けた。
所属するブレーメンでは現在、インサイドハーフで起用されているが、やはり大迫は『最前線』の選手だろう。先の韓国戦、そしてこの日のモンゴル戦のパフォーマンスがそれを証明している。本人は「（クラブで）、しっかりアピールし続けないといけないですし、絶対にチャンスは来ると思う。それを狙っていきたい」と語った。
ストライカー、大迫勇也。その存在の大きさを改めて確認した3月シリーズの2試合だった。
