上写真=先制ゴールを挙げた南野拓実がニッコリ。ゴールショーの幕開けだ(写真◎小山真司)
■2021年3月30日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@フクアリ/無観客)
モンゴル 0-14 日本
得点者:(日)南野拓実、大迫勇也3、鎌田大地、守田英正、オウンゴール、稲垣祥2、伊東純也2、古橋亨梧2、浅野拓磨
点 勝 分 敗 得 失 得失
1 日本 15 5 0 0 27 0 +27
2 タジキスタン 10 3 1 2 9 8 +1
3 キルギス 7 2 1 2 10 5 +5
4 ミャンマー 6 2 0 3 5 13 -8
5 モンゴル 3 1 0 6 2 27 -25
大迫勇也の叫び
早々に4-0にリードを広げたころ、大迫勇也が仲間に向かって大きな声で伝えた。無観客試合だから声がよく通る。
「ゴールに向かうぞ!」
実力の違いは歴然。だが、手は抜かない。5日前の韓国戦と同じ強度でモンゴルからボールを奪い、素早く空いたスペースに送り込んではゴールを狙っていく。
カタール・ワールドカップのアジア地区2次予選、モンゴルのホームゲームが日本で開催されることになり、アウェー扱いの日本は国内では珍しく白のユニフォームで登場。終わってみれば14-0という歴史的大勝だった。
13分、代表デビューとなった松原健の右からのセンタリングに、南野拓実が左足でゴール左へ流し込んで先制。23分、吉田麻也の縦パスに南野がスルー、大迫勇也が巧みにすり抜けて冷静に流し込んだ。26分、右サイド深くを取った伊東純也がシュートのようなパワフルなクロスを入れると、鎌田大地が蹴り込む。33分にも右サイドを伊東が突き進み、マイナスの折り返しを守田英正が右足で確実に蹴り込んで代表初ゴール。39分、伊東がロングドリブルで突き進み、右を並走した松原へ、センタリングが相手に当たってゴールに飛び込むオウンゴール。
これで前半は5-0となった。後半に入っても攻撃の手を緩めるどころか、さらに加速していく。
浅野拓磨を送り出して布陣を4-1-4-1とすると、55分にはボックス内左で鎌田が巧みにターンして中央に入れて大迫が蹴り込む。63分に稲垣祥、64分に中谷進之介を代表デビューさせて4-2-3-1に戻し、68分にはさっそく稲垣が大迫の落としをダイレクトで蹴り込んで代表初ゴール。71分に畠中槙之輔と古橋亨梧を入れて4-4-2に変えると、73分にその古橋の左からのシュートがGKに弾かれてポストに当たり、こぼれたところを伊東が押し込む。78分、伊東の右からのクロスをGKがパンチング、こぼれたところを古橋が頭で押し込む。1分後、右サイドでの単独プレスで奪った伊東が持ち込み、そのまま右足を振ってゴール左に送り込む。
87分、浅野のパスで左裏を取った古橋が流し込み、90+1分に松原の浮き球のパスで中央を抜け出した浅野がGKをかわして流し込み、1分後には伊東の縦パスを浅野がヒール、大迫が蹴り込んでハットトリック達成。
そして締めは、またも稲垣。中央で伊東の落としのパスを左足で蹴り込んだ。
14-0という稀に見るゴールラッシュでワールドカップ予選最多得点記録を更新し、2次予選5連勝だ。何よりも、最後の最後まで攻めの姿勢を貫いたことがこの試合の価値だった。
「スコアは大差になって、力の差があったという相手だったかもしれないですけれど、相手ではなくて、自分たちがどうやって集中して、試合に入るか。選手たちがよい準備をしてくれて、試合の中でも自分たちが、相手ではなくて自分たちが高めることを忘れずに、隙なく、油断なく、漏れなく、やってくれたことがよかったと思います」と森保一監督。
「これまでの経験でチーム作りの継続、プラス、融合しながらまた前進できたというふうに思っています」
親善試合の韓国戦、ワールドカップ予選のモンゴル戦という2試合を通して、充実の日々を過ごせたことをその言葉が物語る。
「まずは今後のチーム作りにおいて、チームの戦力の幅が広がり、パイが広がり、そして底上げがこの2試合でできました。新たな選手の融合と経験値が上がったということで、チームにとってプラスになるというふうに思っています」
派手な14ゴールもまだ道の途中。ワールドカップ2次予選はあと3試合残っている。