上写真=チームに気の緩みが出ないにしたいと吉田麻也は語った(写真◎JFA)
二つ、良い試合をして勝ちたい
久々の代表活動となった10月シリーズで、カメルーン、コートジボワールという強豪国相手に良いパフォーマンスを発揮できたことはチームに手応えと自信を与えた。
キャプテン吉田はそのことをポジティブにとらえながらも、一方で危惧も抱いていた。
「前回、2試合でいい試合をして少しホッとするではないですけど、そこに慢心だったり油断が生じないように、もう一度気を引き締めて、このシリーズでいいパフォーマンスを出さなければいけないと意識しています」
久々の代表戦にも関わらず、『戦えた』という事実が、気の緩みにつながることがあってはならない。
「前回は、みんなの気持ちも伝わってきました。久しぶりということもあって、みんながモチベーション高く、代表に臨んでいました。今回は(前回からの)期間も短いですし、いいプレーできるだろうと、フッとギアを落としてしまいそうなところがあるかもしれない。そこでさらにギアを上げていけるように、練習の中からそういう雰囲気を作っていきたいと思っています。必要があれば、そういう声かけもしていかないといけないんじゃないかなと思います」
実際にそうなっているわけではないものの、気を抜くようなことがないように、チームを引き締めたいと話した。今回の活動を終えると、次の活動は来年3月のワールドカップ予選。親善試合ではない。
「まずは二つ、(今回も)良い試合をして勝ちたいです。これは大前提。そして次のシリーズ(代表活動)が(新型コロナで延期されている)予選になることを願っていますが、11月から来年の3月まで期間があくので、(今回は)できる限りいいものを作り上げて、形を作って、いい状態で3月に臨まなければいけないと思っています」
継続し、さらに高める。指揮官も強調する11月シリーズのテーマだ。
「活動回数が減って、積み上げる回数が減ってしまったのは事実ですけど、意外にこういう難しい状況下であるからこそ、成長できる部分もあると、僕はポジティブにとらえています。このチームは、アジアカップでうまくいかなかったり、最後の最後でタイトルを取れなかったり、予選でも劣悪な環境でトレーニングをしなければならなかったり、今回こういう状況で新型コロナウイルスの影響があったり、なかなかスムーズに事が進まない中で、ある程度チームになっている。こういう状況で、選手としての能力が試されると思っています」
いついかなるときも、代表選手として、やるべきことを全うする。一貫して、吉田が示してきた姿勢だろう。今夜のパナマ戦も代表選手としてのプレーを見せる。