上写真=ワールドカップ2次予選では4試合に出場して失点ゼロと安定している(写真◎JFA)
「ゼロに抑えているから満足というわけではない」
日本代表ではファーストGK。所属するポルティモネンセ(ポルトガル)では出場ゼロ。それが権田修一の現在地だ。
「ポルティモネンセではレギュラーの選手は決まっていて、ベンチ入りのキーパーは(交互に)2試合ずつ、とはっきり言われています」
「自分は全力で尽くすしかないです。裏技があるわけではないし」
困難な状況も受け入れて、日々すべきことに真摯に向き合っていくのは権田らしい。一方で、代表ではレギュラーと目されていて、ワールドカップ2次予選ではここまで4試合すべてに出場して無失点だ。
「僕は評価する立場ではないので、メディアの皆さんに評価してもらって、良ければ素直にうれしいですし、でもゼロに抑えているから満足というわけではないですね。キーパーは3人とも特徴が違う中で、僕が高めていくところは分かっているので、本音で言うとまだまだです」
「目指すところがどこかによっても変わってきます。手応えがあるわけではないし、代表という軸で考えたらワールドカップまで2年の間でしっかり貢献できるようにレベルを上げていかなければいけないと思っています」
ただただ、自分を高めていくことに集中するだけだ。そこには、客観的でフラットな視点がある。
「いまは逆に海外組で、(コロナの状況で制限があって)呼べるから呼ばれている可能性もあるわけです。(ワールドカップ予選再開が発表された)3月にはJリーグでプレーしている選手も呼べるようになるかもしれません。いま海外でプレーしているGKが少ないから呼ばざるを得ないだけかもしれないですからね。でもそれでヤバいと思うわけじゃなくて、代表に来てどういうパフォーマンスができるか。3月に呼ばれても、そこでいいパフォーマンスができないと意味がない。呼ばれたからOKじゃないし、貢献できるようにしないと」
その思いをぶつけるいまの日本代表は、権田から見るとどんなチームだろうか。
「森保さんが監督になってから一貫して、相手がどうこうではなくて自分たちがやろうと言い続けているんです。2次予選の相手がワールドカップに出たことがないから、ということは関係なく、毎試合、自分たちが成長していくことを大事にしているんです」
毎回メンバーの異なる代表チームだからこそ、「チーム」として成長していかなければならない。そこに一選手として貢献していく。権田が求めるのはそのことだ。
10月シリーズでは初戦のカメルーン戦にフル出場して、またも失点はゼロだった。
「積み上げはできていると思います。マイボールでも相手ボールでも攻守両面で少しずつできることもあります。でも、課題が出ているのも事実です」
それを踏まえて、この11月シリーズでもチームの成長のために貢献するという一念は変わらない。