上写真=1カ月ぶりの日本代表で久保建英のゴールはなるか(写真◎JFA)
「選ばれたからには爪痕を残すこと」
日本代表として10月の2試合を終えて、再びメンバー入り。パナマとメキシコと戦う11月シリーズで、久保建英が示したのは「二つの絵」だ。
「相手によって臨機応変に対応する、自分たちのサッカーで主導権を握る、その両方の選択肢を持って戦っていくのが一番だと思います」
同じようなことを柴崎岳も話していて、一つのものに固執しすぎることへの弊害について触れていた。柔軟な強さ、しなやかな堅さとでも言うべきか。
「練習ですり合わせしてしっかり結果にこだわって、勝ちにこだわってもっと試合を優位に進められればベストなのかなという思いがあるので、しっかりギアを入れていければと思っています」
10月シリーズではカメルーン、コートジボワールというアフリカ勢と戦い、0-0、1-0という結果だった。初戦は65分から堂安律に代わって右シャドーに入り、2戦目は4-2-3-1の左MFで先発、61分までプレーした。
1カ月前の経験を踏まえた今回の2試合では「特にいままでと変わらない」と平常心だ。「選ばれたからには爪痕を残すことが次を見据えて大事で、2試合ともチャンスがあればチームに貢献したいと思います」と、チームファーストを強調する。出場すれば次で10キャップ目だ。
前回の代表の活動を終えて所属するスペインのビジャレアルに戻ると、ヨーロッパリーグでは3試合すべてに先発し、2試合はフル出場。リーガ・エスパニョーラでもようやく先発で起用されるなど、徐々に存在感を増している。
「シーズンが始まってからいろいろとありましたけど、始まりが押した分、連戦になるのが早くなったりしていて、代表から帰っても連戦が続きます。例年に比べるとタイトなスケジュールで、しっかり週2で試合がある身としては、ケガに気をつけながら、という去年までになかった課題がありますね」
世界中のフットボーラーが難しく感じているコンディション調整には、やはり気を配っているようだ。
「まずはリーグ戦でできるだけ早くレギュラーをつかんで、コンスタントに主力の一人として出ることが一番だと思います。そうなったときにまた、具体的な目標を出していければいいと思います」
先を見すぎず、一つひとつ目標をクリアしていくという点では実に堅実で確かな歩みを進めていると言えるだろう。そんないま、プレー面で気をつけているのは「終わり」の部分だという。
「気をつけているのは最後の質のところですね。ここまで良くなかったという試合はないんですけど、良かったけど最後が…というのがある状態です。『最後が良かったらゴールだったね』『アシストだったね』というものを、『いまのそれ、良かったね』に変えていけるように、プレーの終わりを意識しているんです」
久保にとって日本代表という場は「いいものを持ち込んで一発勝負で出していくのが代表」だという。ならばこの11月シリーズの一発勝負は、「最後の質」で決着をつけたいところだ。それが、ゴールという結果であればなおのこと、喜ばしい。