上写真=久々の代表の活動を喜ぶ伊東。「大事にしたいと思います」(写真◎スクリーンショット)
「自分には自分の持ち味がある」
「早くやりたいという気持ちがありました」
待ちに待った代表戦、といったところだろうか。伊東純也が久々の日本代表の活動を楽しもうとしている。
「なかなか集まるのが難しい中で、こういう機会を得られたのは日本にとってもいいことだし、個人的にもうれしいです。大事にしたいと思います」
「状態は悪くないと思います」というのもうなずける。ベルギーのゲンクで大活躍中で、8月から始まった新シーズンは10月3日までにリーグ戦8試合を行ったが、すべてフル出場。レギュラーとしての地位を築いてゴールも2つ記録している。コンスタントにプレーすることでコンディションを維持できている手応えがある。
心身ともに充実しているから、昨年11月以来と久々の代表の活動とはいえ、不安はあまりなさそうだ。「初めての選手は少ないですし何回もやっているので、コミュニケーションを取ってしゃべっていけば合わせられると思います。自分がどういうタイミングでボールをもらいたいかとかを要求していきたい」と馴染みのメンバーとのプレーに思いを馳せる。
ベルギーリーグでしっかりとプレーできているのは、「ベルギーではサイドバックの選手に対人プレーに強い選手が多いので、そこで自分の良さが通用したことが自信になった」から。加えて「ドリブルで縦に行くのはもちろん、相手の間で受けたりしていかなければならない場面が多くて、成長したと思います」と、自慢のドリブルに加えるバリエーションを増やした感覚があるからだ。
日本代表で森保一監督のスタイルの中で自分を生かすのは、また新たなチャレンジになる。右のワイドのポジションでは、堂安律(アルミニア・ビーレフェルト=ドイツ)や久保建英(ビジャレアル=スペイン)といった急成長中の若手との争いが待っている。
「あまり意識してないですけど」と話すのは、選手としての特徴が違うからだろう。スピードに乗ったストレートな突破が最大の魅力の伊東に対し、堂安や久保のことは「2人とも若くてテクニックある選手」だと考えている。「自分には自分の持ち味があるので、それを出していければと思っています」と意に介していない。相手によって、状況によって自分でなければ生きない勝負の瞬間があると理解しているのだろう。
森保監督のサッカーは「うまく幅を使って攻撃をしたいという意図があると思いますし、揺さぶって攻撃するスタイルがあると思います」と理解している。幅を取って縦にぐんぐんと突き進むのは伊東の真骨頂。今回の対戦相手であるカメルーンとコートジボワールはどちらもアフリカの雄だが、「揺さぶりに弱いと思うので、パスでうまく揺さぶったり対人でも負けないようにしながら、工夫は必要だと思います」と見る。まさに森保スタイルと伊東の得意技がはまりやすのではないか。
「ベルギーにもアフリカ出身の選手は多いです」というから、いつも通りのプレーで十分に対応可能。「身体能力が高くて対人プレーの部分はすごいです。日本はチームとしてしっかり攻撃も守備もやっていければいいと思います」とこの貴重な2試合を楽しみに待っている。