上写真=宮澤ひなたが攻撃のキーマンに。欧州遠征でもスピードを生かしてゴールを挙げている(写真◎スクリーンショット)
「タイミングが合えばスピードは通用する」
宮澤ひなたの魅力は、なんと言ってもスピードである。
6月の欧州遠征では、24日のセルビア戦で鮮やかに、軽やかにゴールを奪っている。右サイドで長野風花が背中を押してくれるような縦パスを出してくれて、そのままグイグイと突き進み、相手を振り切って冷静にフィニッシュ、狭いほうのニアサイドを抜く冷静さも見せてチーム3点目を決めた。
「特徴であるスピードを生かしたプレーは欧州遠征でも出していきたいと話してきましたけど、今回はアジアという違う相手にどれだけ通用するか」
今年1月から2月の女子アジアカップですでに、アジアのチームにも速さで突き抜けることは証明してきた。右でも左でも真ん中でも、2列目からすり抜けていけるのは、チームの攻撃のバリエーションを増やすことに役立っている。その精度を高めること、そして一部海外クラブに所属する選手が選外になっていて、新しいメンバーで実現することがE-1選手権でのポイントになるだろう。
「裏へ飛び出すタイミングが合えばスピードは通用するかなと、実際に海外の選手を相手にしたときに感じました。あとはサイドでどうためをつくるのか、狭いエリアにどのタイミングで入っていって相手の間を割ってドリブルで入るのか。今回もより積極的に出していけたらと思っています」
例えば、攻撃のキーマンである岩渕真奈や長谷川唯は今回は選ばれていないが、その不在を補って余りある活躍に期待は集まる。そのために強く意識するのが「どの道が一番ゴールに近いのかを考えながら」プレーすること。そして、「チームの流れが早いときや落ち着かないときに、サイドでどうやって落ち着かせられるか、起点を作れるか」にこだわること。
そうすれば、「ゴール、アシスト、ゴール前のチャンスメークを増やせれば」という個人的なテーマの実現につながっていく。
その道の先に描くのは、女子アジアカップで勝てなかった韓国と中国へのリベンジ、そして「チームとしても個人としても優勝」ときっぱり。なでしこジャパンの一員として国際大会に臨むのは、女子アジアカップに続いてまだ2度目の経験。でも、遠慮はいらない。