上写真=インドで開催されている女子アジアカップ。ここまで山下は2試合にフル出場している(写真◎JFA/PR)
「自分がミスをした失点」
なでしこジャパンは開始32秒でFW植木理子が先制点を決める好スタートを切ったが、その後は追加点を奪えず、後半は韓国の反撃を受けた。85分に追い付かれたものの、その後のピンチはしのぎ、1-1の引き分けでグループ首位通過を決めている。
「最初のプレーで点が入って、ボールを動かしていくときに、後ろから見ていてもビルドアップできるスペースはあったと思う」と振り返った山下は、「そこで後ろが(ロングボールを)蹴ってしまった回数が多い。成功率が低くてもやり続けてしまったことで、相手のボールにしてしまったのは、少しもったいなかった」と指摘。「90分間を通してのゲームプランが、みんなバラバラだったかなと思う」と語っている。
公式記録で気温24度という暑さの中、開始直後にリードを奪ったにもかかわらず、それを生かすことができなかったというのが守護神の見立てだ。「スペースも空いていたので、この暑さで守備をしないサッカーをするためには、ポゼッション(が効果的)。前半は特に相手を動かす、疲労させるような展開がなかったんじゃないかと思っている」と自身の見解を述べ、「ゴールを取りたいという欲は感じましたけど、(グループステージの)3試合を見ていても、ゴールを取れる気がしない。どうやって点を取るのか、もう少し韓国戦で合わせていければよかった」と厳しいコメントが続いた。
自分自身にも矢印を向けた。85分の失点はCKから、飛び出した山下が味方選手と交錯してボールに触れず、ファーサイドからシュートを打たれた後の混戦から決められたもの。「相手のメンバーが変わり、自分たちのマークが少しマッチしないというか、準備し切れていない部分が1試合目からあった」ことに加え、「あとはシンプルに、自分がミスをした失点」と課題を挙げた。
ただ、後半アディショナルタイムの同じサイドからのCKは、タイミング良く飛び出してキャッチ。「同じようなボールが入ってくる予測はついていたので、チャレンジし続けることが大事だと思った」と当時の判断を説明し、「もう1回かぶってしまったら、それが自分の実力。あれは2本とも、どのゴールキーパーが出ていても処理できなければいけなかった」と再び反省点を口にしている。
1月30日の準々決勝ではタイと対戦し、勝てば2023年女子ワールドカップ出場権を獲得するとともに、3連覇に一歩前進する。韓国戦の後、オーストラリアとタイの試合の後半を見たという山下は「いままでの3チームよりはプレッシャーに来るので、そのプレッシャーを、どうはがしていくか」と勝利へのポイントを強調していた。