上写真=昇格記念Tシャツを着てMFトーマス・モスキオン(右)、GKセランテス(左)とともに笑顔の加藤。古巣対決で1得点を挙げた(写真◎石倉利英)
■2024年11月10日 J3リーグ第36節(@Axis:観衆3,071人)
鳥取 0-5 今治
得点:(今)マルクス・ヴィニシウス3、加藤潤也、梅木怜
「雰囲気も良く、楽しめた」
2シャドーの一角に入り、持ち味の運動量を生かして躍動感あふれるプレーを見せていた加藤は前半、守備で貢献。相手へのプレッシャーやボール奪取のほか、29分のピンチではゴール前で体を張って相手のシュートをブロックし、シュートを打たせなかった。
2-0で迎えた70分には、味方の敵陣でのボール奪取からの決定機で、左足シュートを決めて3点目。「すごく良いパスが来たので、流し込むだけでした。周りの選手に感謝したい」と振り返る得点で試合の流れを決定付け、5-0の大勝に貢献した。
広島県出身で、高校時代は鳥取県の米子北高でプレー。城西国際大を経て2017年、プロ初のクラブとして加入したのが鳥取だった。2年間でJ3リーグ18得点を挙げ、19年にザスパクサツ群馬に完全移籍。同年のJ2昇格に貢献すると、23年にツエーゲン金沢、今季は山口とJ2クラブを渡り歩き、今治への加入で自身5年ぶりにJ3でプレーしている。
8月に左大腿二頭筋損傷で戦列を離れ、長らく欠場していたが、復帰してプロ初のクラブとの古巣対戦に間に合い、「この試合に良い状態をもってくることができてよかった」と語った。スタジアムまでの道のりは「懐かしい感じがした」そうで、「自分にとって、ここは原点。雰囲気も良く、楽しめた」と振り返っている。
一方、長くJ2でプレーしてきた経験から、来季への課題も感じたという。試合を振り返るコメントの冒頭で「(昇格決定は)すごくうれしいですが、来シーズンはJ2なので、いまのままでは厳しいと思います。もっと成長しないと、来年は厳しくなる。あと2試合あるので、しっかり勝って締めくくりたい」と指摘し、「今年もJ2でやっていましたし、ある程度、レベルの差について感じるものがある。カテゴリーが変わると、戦い方も変わると思うので、バージョンアップできるように、みんなでやっていきたい」と今後の成長を期していた。
取材・写真◎石倉利英