ガイナーレ鳥取と鳥取大が、地域課題の解決やスポーツを通じた地域振興を目的とした包括連携協定を締結することになり、2月18日に締結式が行なわれた。両者は以前から相互連携活動を実施しており、それを全学的・全県的に発展させていくための協定締結となっている。

上写真=署名した連携協定書を手に笑顔を見せる鳥取大の中島学長(左)とガイナーレ鳥取の塚野代表取締役社長(写真◎石倉利英)

地域の活性化、地域課題の解決に寄与

 Jリーグは近年、社会課題や共通のテーマ(教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など)に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して取り組む活動として『シャレン!(社会連携活動)』に取り組んでいる。2020年からは『シャレン!アウォーズ』と題した表彰も実施しており、ガイナーレ鳥取は『復活!公園遊び』などのホームタウン活動で同年から昨年まで、全60クラブで唯一となる4年連続で受賞した。
 
 鳥取大とも以前から連携しており、昨年は練習拠点の米子市にある同大附属病院の小児病棟で選手との交流を実施。昨年10月には同市のオールガイナーレYAJINスタジアムでのJ3リーグ公式戦を『とりだい病院スペシャルマッチデー』として開催し、フレイル対策、更年期啓発、肝疾患予防、健康相談などの各種ブースが出展されるなど実績を重ねてきた。
 
 こうした経緯を踏まえ、さらに連携・協力関係を発展させていきたいと、昨年ガイナーレ鳥取から鳥取大へ包括連携協定の締結を提案。協議を重ねた結果、両者が持つ人的・知識資源や社会連携・地域連携活動のノウハウが融合することで、スポーツを通じた地域の活性化、地域課題の解決に寄与するとともに、両者の一層の発展が期待できることから、今回の協定締結となった。

 ガイナーレ鳥取のホーム、Axisバードスタジアムで行なわれた締結式には、鳥取大から学長の中島廣光氏、地域連携担当理事・副学長の藪田千登世氏、地域価値創造研究教育機構・副機構長の清水克彦氏と谷口透氏が出席。クラブからは塚野真樹・代表取締役社長、高島祐亮・経営企画本部長、ホームタウン・シャレン事業部の内間安路氏が出席した。

 中島学長は、鳥取大が前身校の時代から地域の課題を解決してきた歴史を踏まえて「(運営会社の)SC鳥取様と鳥取大学は、それぞれの特色を生かして地域を活性化していこう、地域になくてはならない存在になろう、ということで、同じ方向を向いている。手をつないで地域に貢献し、鳥取を元気にしていきたい」とあいさつ。塚野代表取締役社長は「鳥取大の学生さんは20歳前後で、そういう若い皆さんが地域で活発に活動されていること自体が、我々の暮らす地域を明るくすることにつながる。ふるさとを盛り上げていけるように、いろいろなことを考えさせていただき、実行したいと思っている」と意気込みを語った。

 両者は今回、人材の育成・交流、地域・社会課題解決に関することなど、全4項目で協定を締結した。鳥取大は地域のさまざまなステークホルダーと協働・連携した教育研究活動を推進するとともに、養成した人材の地域における定着・活躍を促進することにより、『社会に信頼され、地域に必要とされる地(知)の拠点大学』となることを目指している。今回の協定は、それぞれの分野・特性を生かして地域になくてはならない存在となることを、大学とクラブ共通の目標としている。

取材・写真◎石倉利英


This article is a sponsored article by
''.