上写真=鳥取をアウェーで圧倒した宮崎が3連勝(写真◎石倉利英)
■2021年10月3日 J3リーグ第21節(@チュスタ:観衆1,861人)
鳥取 0-4 宮崎
得点:(宮)青山生、梅田魁人2、奥田裕貴
・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF坂本敬(73分:秋山大地)、鈴木順也、藤原拓也、魚里直哉、MF世瀬啓人、新井泰貴(73分:可児壮隆)、小田垣旋(80分:清永丈瑠)、永島悠史(73分:杉井颯)、FW大久保優(80分:谷尾昂也)、石川大地
・宮崎メンバー◎GK植田峻佑、DF青山生、大畑隆也、代健司、奥田裕貴、MF千布一輝(73分:三村真)、前田椋介、徳永裕大(82分:井原伸太郎)、渡邊龍(67分:大熊健太)、FW藤岡浩介(67分:橋本啓吾)、梅田魁人(73分:水永翔馬)
後半の飲水タイムまでに勝負あり
鳥取が練習拠点としている米子市のチュウブYAJINスタジアムでの、今季2回目のホームゲーム。米子市は朝から気温が上昇し、公式記録で猛暑日一歩手前の33・6度と、10月とは思えない暑さの中での戦いとなった。
立ち上がりから両チームとも最終ラインからのビルドアップを狙い、そこにお互いがプレッシャーをかけることで双方にチャンスが生まれた。14分に宮崎は高い位置でボールを奪ってMF徳永がシュート、鳥取GK田尻が止めたこぼれ球にMF渡邊が詰めるも、田尻が連続セーブで防ぐ。16分には鳥取がうまく追い込み、ボールを奪ったFW大久保が狙ったが、宮崎DF代が体に当ててブロックした。
その後も両チームがカウンター気味の攻めでゴールに迫り、宮崎MF渡邊や鳥取MF小田垣がゴールに迫る。しかし鳥取DF坂本のカバーリングや、宮崎GK植田の好セーブで得点は生まれず、0-0で前半を終えた。
お互いにチャンスがありながらもスコアレスに終わった前半とは対照的に、後半は開始直後から一気に動いた。宮崎が1分過ぎ、右SB青山がFW梅田とのパス交換でエリア内に侵入すると、梅田の落としを左足でファーサイドに蹴り込み、Jリーグ初ゴールを決めて先制(得点時間は47分)。さらに48分、ハーフウェーライン付近で自陣からの縦パスのターゲットになったFW梅田が、相手DFのチャージをうまくブロックして入れ替わると、そのままドリブルで持ち込み、右足で豪快に蹴り込んでリードを広げた。
宮崎は51分にMF渡邊のシュートが右ポストに当たるなど、さらに攻撃が勢いを増し、54分にはオーバーラップした左SB奥田が、カットインからファーサイドに蹴り込んで3点目。2018年に鳥取でプレーした経験を持つ奥田が、かつての練習拠点での古巣対決でJリーグ初得点を決めた。
さらに68分、鳥取DF鈴木のパスミスを拾ったFW梅田が、前に出ていた鳥取GK田尻の位置をよく見て、ハーフウェーラインを少し越えたあたりから超ロングシュート。懸命に戻る田尻の頭上を越えて鮮やかに決まり、4-0とした。
後半の飲水タイムまでにゴールラッシュを演じて勝利を決定付けた宮崎は、内藤就行監督が「得点差が開いたことで、交代選手をいつもより長い時間、出場させることができた」と振り返る余裕の選手起用を見せる。鳥取も何とか意地を見せようと攻め込んだが、最後まで得点を奪うことができなかった。
宮崎は今季のJ3昇格後クラブ最多となる4得点を挙げ、今季3回目の3連勝。前述のように大差をつけた後は交代枠5人を使い切り、多くの選手が出場機会を得た。内藤監督は「欲を言えば、交代選手が入ってパワーアップして、得点を取れるようなチームになっていけたら、もっと脅威になる」と語りつつ、「(交代選手が多く入っても)無失点で終わることができたのは、非常に大きい結果だと思う」と選手たちのプレーぶりを評価していた。
現地取材・写真◎石倉利英