上写真=思うようにチャンスを作れなかった鳥取。可児(7番)も苦しいプレーを余儀なくされた(写真◎石倉利英)
■2020年8月29日 J3リーグ第12節(@Axis:観衆818人)
鳥取 1-1 長野
得点:(鳥)フェルナンジーニョ
(長)牧野寛太
終始劣勢も何とか追い付く
公式記録のシュート数はガイナーレ鳥取が4本、AC長野パルセイロが13本。数字が示す通り、鳥取は苦戦を強いられた。立ち上がりから厳しいプレッシャーを受けて思うようにパスをつなぐことができず、すぐに奪われて攻め込まれる。ボランチの一角でプレーしたMF可児壮隆は「90分間を通して相手にボールを握られる展開が多かった」と厳しい表情でコメントした。
チーム全体の問題点を「ボールを奪った後にしっかり握るところで、ポジションを取るのが遅かったりして、意図を持ったプレーができていなかった」と分析する。蒸し暑さが残る中での戦いとなったが、「暑さよりも、相手の圧力に対してネガティブになってしまったんだろうな、という感じ」と語るように、パスワークのテンポが上がらず、最終的にロングボールを蹴らされる形になったことが、ボール支配率で上回られた要因の一つだった。
今季セットプレーから5得点を挙げている長野に、前半はCKやFKから際どいシュートを打たれ、後半も左右からのクロスで危ない場面があった。可児自身は61分に交代で退いたが、「前半から失点するまでの間に危ない場面が何本かありましたが、守り切ることができたのは今季の成長」と振り返る。
74分に先制されて追い込まれたものの、79分に追い付いて引き分け。「この内容で勝ち点1を取れたのも(この試合の)よかったところ」という可児のコメントは、偽らざる本音だろう。
ホームでの連勝が4で止まった鳥取は、前節に続く2試合連続のドロー。次節は9月2日にホームで藤枝MYFCと、その次は9月6日にアウェーで、いわてグルージャ盛岡と対戦する。3連戦に向けて可児は「特別な準備は、なかなかできない。コンディションを整えて、意識やマインドをもう少し良くしていきたい」と語り、苦戦の中でつかんだ勝ち点1を、未来につなげていく決意を示した。
現地取材・写真◎石倉利英