上写真=飯田貴敬は京都で2年目のシーズンに副キャプテンとして臨む(写真提供◎京都サンガF.C.)
「すごく強いチームができるのではないか」
飯田貴敬が副キャプテンになった。
「キャラじゃないだろ、ってみんな思ってると思うんですけど…」
ちょっとだけ自虐的に笑ってみせるが、すぐにこう続ける。
「僕としてはやりやすくなったんです」
「役」が自らの背中を押してくれているからだ。
「思っていることを外に発信しやすくなったと感じています。面談でチョウさんと話して、副キャプテンはどうだという話を受けて、ここで変わるチャンスだなと。いままでは思っていたことがあっても、周りに合わせていたというか、自分を殺してやってきたところがあったんですけど、そこを出していけるのはすごくやりがいを感じます」
高らかな心の解放である。それはきっと、プレーにも反映されるはずだ。
「今年はチームを勝たせることが自分の仕事というか、チームがいかにして勝つかという部分が求められているので、そこは自分の仕事かなと思います」
そのためにも、チョウ・キジェ監督のスタイルを全身に染み込ませる日々が続いている。
「チョウさんはどちらかというと気合で球際に勝つというイメージが強かったんですけど、実際に指導を受けると細かい戦術や決まり事があって、チームとしてやるべきことの軸がある分、選手はやりやすい環境だと思います」
ベースがあるから、判断が整いやすくなる。選手が自由を組み込める。
「チョウさんがやれと言っているというよりは、選手が選んでプレーしていると思います。技術を持った選手が多いので、プラスアルファの部分では面白いサッカーになると思います」
「チョウさんの戦術は戦術としてありますけど、試合に出るのは選手です。言われたことをやるだけではないというか、最終判断を下すのは選手なので、チョウさんに言われたようなサッカーを選ぶだけではなくて、いろんな選択肢を持ちながら自分が判断してプレーしていかなければならないと思います」
自立した選手たちが生き生きと走り回る姿が目に浮かぶ.その中で、飯田自身は今年も右サイドで勇躍するはずだ。右足からの鋭いクロスに磨きがかかるだろう。
「チームの決まりごととして、(クロスが入るタイミングで)中に入っていない方が悪いという感じの練習をしているので、こっちが主導でやっていいというやりやすさがあります。だから、クロスの本数も増えるだろうし、アシストの本数もたぶん増えます。去年と違う部分が出せると思います」
副キャプテンとして堂々と戦って、アシストも増える飯田の姿を想像すると、もはや楽しみでしかない。そしてそれは、ピッチに立つ選手たち自身が感じていることでもある。
「頭を使いながらサッカーをするのがすごく楽しいと思っていて、チーム全員でできるようになったら、すごく強いチームができるのではないかと楽しみなんです」
だから、新しい京都から目が離せない。