東京ヴェルディの永井秀樹監督は16日、練習後にオンラインで取材に応じた。再開に向けてのチーム状況や再開初戦の相手であるFC町田ゼルビアの印象についてコメント。今季のキーファクターは「自分たちのサッカーの実戦」であると強調した。

上写真=トレーニングで選手に指示を送る永井秀樹監督(写真◎東京ヴェルディ)

町田評は「昨年とは全く違う」

 リーグの再開まであと11日。指揮官はチームの現状について問われると、リスタートに向けた準備がしっかり進んでいると話した。

「当初の想定よりも1週間(再開)が早まったので、選手は少し大変なことがあると思いますが、でも、残りの期間で万全の準備をしていきたい」

 自粛期間中、チームでボールを蹴ることはかなわなかったが、頭を働かせることはできた。zoomなどでミーティングを何度も行ない、開幕当初よりも理解が深まっている。

「選手は本当によくやってくれている。戦術のメモリーの部分は、だいぶ貯まっていると思うし、あとはどこかのタイミングで、われわれを解き放つというか、選手がのびのびとやってほしいと思っています」

 選手も実感している。「自粛期間で、ミーティングして整理はできました。ラストパスはどこからか、誰が出すのか、どこを引き出すのか。そこらへんの整理はできている。その意味で、ゴールに近づけるプレーできるんじゃないかなと思っています」と話したのは小池純輝。指揮官が練習再開後に得ている実感と同種の感覚を、選手の側も得ていた。

 6月27日の再開初戦の相手はFC町田ゼルビアに決まった。その印象について、先日の町田対浦和レッズを見たという永井監督は率直に語った。

「当然ですけど、監督が代わって去年とはまったくスタイルが違う。経験のある監督らしく、とくに組織のところはしっかりされているなと。去年よりもボールを持ってサッカーをしようというスタイルに見えるので、われわれもいい緊張感をもって、自分たちのサッカーが存分にできるように準備したい」

 町田戦から再開されるリーグ戦は夏場の時期にも週2回ペースで試合がある過酷な日程だ。通常であれば、週末のゲームに向けて相手の対策を立て、練習に落とし込む作業が可能だが、今シーズンはそうはいかない。再開後は多くの週で試合とリカバリーを繰り返すだけに終始するかもしれない。相手の対策を練習に落とし込む時間を取ることは難しいだろう。

 そこで重要となるのは、自分たちのスタイルの完成度だ。相手に合わせた戦い方を選択するだけではなく、自分たちのストロングポイントをいかに発揮することができるか。その点が、今季は大きく問われることになりそうだ。

 過酷な日程や交代枠5人ルールの採用も含め、これまでとはまったく異なる戦いに臨む指揮官も、「自分たちのサッカー」の重要性を説く。

「われわれが、どの相手に対しても自分たちのサッカーをやれるのか、それ大事になってくると思う。その点をベースに、町田に対しての準備もスタートしていますし、いい準備をしていきたい。(厳しい日程については)予想していたことなので。よりチーム力というか、全員の力が必要。われわれは全員でサッカーをするというのを掲げてやってきた。全員で乗り切っていきたいと思う」

 そして選手たちには再開決定に際して、こう伝えたという。

「(リモートマッチなど)普段経験できない環境でのゲームなので、難しさはあると思う。でもやっぱりサッカーができる喜びだったり、いろんなものを通して、サッカーで勇気を与えたり感動を届けるということをもう一度みんなでやろうと、選手たちには伝えました」

 開幕戦を終えての順位は21位。永井ヴェルディは、自分たちの持ち味を十全に発揮し、このたびの再開を文字通りのリスタートの機会とできるかーー。


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