北海道コンサドーレ札幌は21日、首位・FC町田ゼルビア(30節時点)とアウェーで対戦。攻め込まれる機会は多かったが、センターバックの岡村大八を中心に粘り強い守備を見せると、スコアレスドローで試合を終え、勝ち点を持ち帰ることになった。

上写真=オ・セフンと丁々発止のバトルを繰り広げた札幌の岡村大八(写真◎J.LEAGUE)

長身FWをいかに抑えるか

 町田の攻撃のキーマンであるFWオ・セフンをいかに封じ込めるかーー。

 それは敵地に乗り込んだ札幌が勝ち点を獲得するために避けては通れないテーマだった。

 そしてこの極めて重要な役割を岡村大八はやり遂げた。3バックの中央に入り、獅子奮迅の活躍を見せたのだ。

「普通に競っただけではやっぱり勝てない。僕よりも10センチは背が高い選手ですし、同時に競るだけじゃかなわないとわかっていました。最初に1回、それを確認して、普通にやったらやっぱり勝てないなと。そこでやり方を変えて、地上戦に持っていった感じです。それが非常にいい方向に働いたかなと」

 飛ぶ前に競り合って体を当て、自由に飛ばさないこと。今回の試合ではその狙いがうまくはまったという。競ったあとの処理、つまりセカンドボールの回収についても岡村は周囲の選手たちと確認し合っていた。

「オ・セフンに体をぶつけながらヘディングするので、(セカンドボールが)遠くに飛ばないのはわかっていました。だからできるだけ僕の近くにいてくれって(周囲の選手と)確認していました。実際、あまり負けることはなく、前にはね返した部分もありましたけど、そこは良かったと思います。相手が(後半)早々に代わったことを考えれば、役目は果たせたかなと思います」

 制空権を握れず、持ち味を封じられた町田のFWは笛が鳴ってもプレーを止めず、ボールを蹴ってしまうなどイライラを募らせた。岡村を中心とした札幌守備陣の封じ込めが効いていた証だろう。

 札幌はまた、町田のロングスローについても入念に対応を準備していた。誰が最初に競り、誰がカバーするのか。位置取りにはとくに心を砕いた。

「まずはファーストのところ(最初の競り合い)で、相手の後ろだけに立たないというところ。必ず前に(ボールが)落ちてくるので、今日の試合は2人でサンドすることが多かったと思いますけど、きっちり競ることができていた。みんなで話し合っていたことを出せました」

 降格圏の19位にいる現状を踏まえれば、勝ち点1よりも当然ながら勝ち点3を得ることが望ましい。ただ、首位チームと敵地で渡り合い、勝ち点1を持ち帰ることは無意味ではないと岡村は言った。

「アウェーで勝ち点1を取れたというところをポジティブに考えたい。もちろん3点取りたかったし、そのチャンスもあったと思いますけど、失点をしなかったことはよかったですし、次の試合で勝ち点3を取れるように。次に向けてまた1週間、しっかり準備していきたいと思います」

 次戦(28日)、札幌はホームで14位の京都と対戦する。降格圏から脱するために負けられない戦いになる。岡村も、その重要性を強調した。

取材◎佐藤景


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