4月7日の明治安田J1リーグで、首位のFC町田ゼルビアは川崎フロンターレをアウェーで1-0で下した。これでリーグ唯一の5勝目となったが、平河悠はこのあとU-23日本代表の一員としてパリ・オリンピック予選を兼ねたU-23アジアカップに臨む。初めてのJ1で大活躍のアタッカーが、チームの勝利に貢献して戦いの場をアジアに移す。

上写真=平河悠が首位を走る町田を牽引し、アジアの戦いへ(写真◎J.LEAGUE)

■2024年4月7日 J1リーグ第7節(@U等々力/観衆22,008人)
川崎F 0-1 町田
得点:(町)藤尾翔太

「相手より反応を早くして」

「置き土産、じゃないですけど、代表活動に専念できます」

 川崎フロンターレを1-0で倒したFC町田ゼルビアは首位を突き進む。初めてのJ1において5勝1分け1敗という好成績は、平河悠の小気味良いアタックがあってこそだ。

 その活躍が認められて、U-23日本代表の一員としてカタールに飛んでU-23アジアカップに臨む。パリ・オリンピック予選を兼ねた、サッカー人生の中でも大きな大きな戦いだ。

「1位で代表活動に行けるといううれしさはありますね。(前節はサンフレッチェ広島に敗れていて)ここで負けて2連敗で行くのとでは気持ちが全然変わっていたので。本当に勝ちたい試合で勝ち点3を取れたのは、置き土産、じゃないですけど、代表活動に専念できます」

 同じくU-23日本代表に選ばれている藤尾翔太のゴールで勝利をもぎ取ったが、簡単ではなかった。前半は町田のペースで進んだが、後半は川崎Fに押し返される時間も長くなり、71分にはGK谷晃生が退場するピンチ。

 ここで町田は3-5-1(あるいは5-3-1)の並びにして、残り20分強を運んでいく作戦に出た。ただし、守り切るという目的ではない。前線に藤尾を残してカウンターの意志を突きつけながら、平河自身もチャンスには藤尾に加勢していった。

「(守り切ろうとすると)もう本当にきついだけのサッカーになってしまうので、やり方は変えずにプレッシャーかけようと。それでうまく時間を使うところと守るところは、交代選手も含めてうまくできたかなと」

 黒田剛監督は前節で広島に敗れてJ1初黒星を喫した試合を、ただの敗戦にはしなかった。「前節の敗戦からさまざまなことを学ばせてもらい、そして気づかせてもらい、それをしっかりと改善させて今日のゲームに臨みたいと」と話して、出足の早さや相手のパスコースの規制、トランジションの速さを取り戻した。その点は平河も胸を張る。

「負けた試合を生かすというか、経験値に上積みするのが去年からできているところです。負けた試合を引きずらずに、自分たちのサッカーをもう1回見つめて次の試合に挑むことができているので、去年からこういう結果になってると思います。広島戦はシステムの不具合があったり、フラストレーションが溜まる試合で、相手の出足の方が早くて負けるべくして負けた試合でした。だから今日は、立ち上がりから相手より反応を早くして、ポジショニングを早く取ることをみんなが意識していました」

 相手よりも早く、という意識は、これから挑むアジアの戦いでも重要になってくる。まずは中国、UAE、韓国と戦うグループステージで2位以内に入って8強に進み、そこから3位以内に入ればパリ・オリンピックの出場権を獲得できる。4位の場合は、アフリカ4位のギニアと大陸間プレーオフを戦って勝たなければならない。

「もう総力戦になってくると思うので、自分のコンディションもいいですし、代表のやり方を体にアジャストして、必ず出場権を獲得して帰ってきたいなと思います」

 凱旋の日が待ち遠しい。


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