2024シーズンのJリーグが2月23日の金曜日にいよいよ開幕する。14時キックオフのオープニングマッチは、新スタジアムのエディオンピースウイング広島で開催される昨季3位のサンフレッチェ広島が、昨季4位の浦和レッズを迎え撃つ。開幕PRイベントに参加した注目選手のコメントからゲームの見どころをチェックしていく。

上写真=健闘を誓いあった広島の満田誠と浦和の西川周作(写真◎J.LEAGUE)

注目度の高い昨季の上位対決!

 就任3年目のミヒャエル・スキッペ監督が率いる広島は継続路線でチーム強化を進め、攻撃力にさらに磨きをかけているという。今季、シャドーからボランチにポジションを移している大卒3年目の満田誠は、自信をのぞかせていた。

「毎年、守備は良いと思いますが、今年は前の選手を補強したこともあり、昨年よりも得点力が増しているのかなと。従来の縦に速い攻撃に加えて、サイドからクロスで取る形など、得点のバリエーションも増えてきています」

 新たな得点源として期待されているのは、湘南ベルマーレから加入した大橋祐紀。練習試合ではさっそくハットトリックをマークするなど、点取り屋の能力を発揮している。昨季13ゴールを挙げたストライカーの調子は、すこぶるいい。スピードのあるFWが加わったことで、広島の持ち味であるショートカウンターがより鋭くなっているようだ。中盤で速攻の起点となる満田は胸を張る。

「キャンプを通して、前からプレスをかける意識を持ってやってきました。実際、高い位置でボールを奪い切り、ゴールにもつなげています。手応えはあります」

 自陣からパスをつないでくる新生浦和はもってこいの相手。迫力あふれる臨場感が売りだという新スタジアムの開幕戦では、成熟度の違いを見せることを誓う。

「僕らのやるべきサッカーは変わりません。浦和のビルドアップを狙って、はめに行きたい。期待さているチームを倒すことで、自分たちも良いスタートが切れると思います。開幕で勢いに乗りたいです」(満田)

 

 敵地に乗り込む浦和も今季、刷新された戦力で“違い”を見せることに意欲を燃やす。GKの西川周作は、はっきりと言う。

「今季のレッズは違うぞ、という姿勢を見せたい。オープニングマッチとなる23日14時キックオフのゲームは、両軍を応援するサポーターだけではなく、多くの人が見ると思います。僕らはサッカーファンが増えるようなゲームを見せないと。1点を取って満足するのではなく、2点、3点取りに行こうとキャンプから話してきました。開幕戦では積極的にゴールを奪いに行き、得点数でも表現したいです」

 Jリーグをけん引していく気概を持つ37歳の言葉には自信がにじむ。ノルウェー人のペア・マティアス・ヘグモ新監督のもと、攻撃に重心を置いたチームづくりを進めており、メンバーもがらりと変わった。清水エスパルスで3年連続2桁ゴールを挙げているセンターフォワードのチアゴ・サンタナをはじめ、ウイングにはノルウェー代表経験を持つスピードあふれるオラ・ソルバッケン、アンカーにはスウェーデン代表歴を持つ展開力のあるサムエル・グスタフソンと強力な外国籍選手たちが顔をそろえる。

 指揮官が推し進めるハイライン、ハイプレスの戦術も徐々に浸透しつつある。最終ラインには昨季、ベストイレブンに選ばれたアレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテンの北欧CBコンビ、さらに主将の酒井宏樹も健在。タレント力はリーグ屈指と言っていいかもしれない。守護神の西川は新シーズンの開幕に向けて、胸を弾ませていた。

「失点数も少なくしていきますよ。ハイラインで守るのは好きです。GKが1対1で守るシーンも増えると思いますが、そこをいかに防いでいくかが大事。強い広島と開幕で戦えるのはうれしいこと。楽しみですね」

昨季まで堅守を売りにしていた両軍の変化に注目したい。

取材◎杉園昌之


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