11月25日の明治安田生命J1リーグ第33節で、サンフレッチェ広島とガンバ大阪が対戦した。広島がJリーグ創設の1993年からホームとして使用してきた、エディオンスタジアム広島(Eスタ)でのラストマッチ。3万人近い大観衆が詰めかける中で広島が序盤から得点を重ね、会心の勝利でフィナーレを飾った。

上写真=広島は9分に満田(中央)が先制ゴール。素晴らしいスタートを切って快勝し、スタジアムのフィナーレを飾った(写真◎J.LEAGUE)

■2023年11月25日 J1リーグ第33節(@Eスタ:観衆29,907人)
広島 3-0 G大阪
 得点=(広)満田誠、中野就斗、加藤陸次樹

立ち上がりから得点を重ねる

 朝は曇り空だった広島地方は、キックオフの14時が近づくにつれて青空が広がり、快晴の下でキックオフ。選手入場の際には広島のエンブレムのコレオグラフィーが浮かび上がり、ラストマッチにふさわしい素晴らしい雰囲気で試合が始まった。

 クラブの歴史を刻んできたスタジアムに捧げるかのように、広島が立ち上がりから連続ゴールを奪う。まず9分、鮮やかなパス交換で左サイドを崩すと、FW加藤のセンタリングをエリア内中央でMF満田がヘッドで合わせ、早くも均衡を破った。

 さらに11分にも左サイドから攻め込み、一度は奪われたボールを満田が素早く回収。パスを受けたMF東のファーサイドへのセンタリングを、MF中野がヘッドで決めてリードを広げる。

 押されっぱなしだったG大阪も18分、FW鈴木が右サイドからドリブルで突破し、フリーのMF食野へつなぐ決定機。だが食野のコントロールが大きくなり、間合いを詰めた広島GK大迫にセーブされてしまう。なかなか良い形を作れないG大阪に対し、広島も追加点を狙うが決められず、そのまま2-0で前半を終えた。

 後半も開始直後から広島が優勢に進め、53分に3点目。敵陣深くまで押し込んだ状態でのボール奪取から素早く左サイドに展開すると、加藤が右足でファーサイドへコントロールされたシュートを沈めた。

 主導権を手放さない広島は、自陣まで攻め込まれてもカウンターで攻め返し、なおもゴールを狙う。73分に今季初先発のMF青山が、観客の大きな拍手を浴びながらMF柴﨑との交代で退くと、77分には柴﨑が東のセンタリングを左足で合わせ、左ポストに当たって惜しくも決まらなかったが決定機を作る。

 残り時間が少なくなる中、広島は83分に今季限りでの現役引退を発表しているGK林を、大迫との交代で送り込む。広島でプロキャリアをスタートし、2015年のJ1優勝に貢献するなど長年にわたってゴールを守り続けた守護神は、数度の守備機会で正確なキャッチングを披露し、『完封リレー』で有終の美を飾った。

 ユニフォームを脱ぐ偉大な選手の花道を飾り、今季は出場機会が少なかったベテラン勢も次々とピッチに立つなど、広島はプレー内容にとどまらない鮮やかなフィナーレ。試合後には各種セレモニーが行なわれ、林は各方面へ、ていねいに感謝の言葉を述べた後、最後に背番号1のユニフォームを大迫に手渡して、次代の守護神に思いを託した。

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

▼出場メンバー
・広島:GK大迫敬介(83分:林卓人)、DF塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、MF中野就斗、青山敏弘(73分:柴﨑晃誠)、川村拓夢、東俊希、満田誠(83分:柏好文)、FW加藤陸次樹(88分:野津田岳人)、ドウグラス・ヴィエイラ(73分:ナッシム・ベン・カリファ)

・G大阪:GK東口順昭、DF半田陸、三浦弦太、佐藤瑶大、クォン・ギョンウォン(84分:中野伸哉)、黒川圭介、MF食野亮太郎(60分:イッサム・ジェバリ)、倉田秋(60分:山見大登)、ダワン、山本悠樹、FW鈴木武蔵(67分:宇佐美貴史)


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