首位・ヴィッセル神戸を勝ち点4差で追う2位、横浜F・マリノスがホームに北海道コンサドーレ札幌を迎えた。残り5試合となり、逆転優勝を狙う横浜FMにとっては負けられない試合だが、今季、札幌とはカップ戦も含め5度対戦して2勝3敗と負け越し。苦手な相手との対戦になったが、横浜FMは4−1で勝利をもぎ取った。

上写真=先制ゴールをスコアした宮市亮(写真◎J .LEAGUE)

■2023年10月21日 J1リーグ第30節(@日産ス/観衆23,286人)
横浜FM 4-1 札幌
得点:(横)宮市亮、杉本健勇、エウベル、植中朝日
   (札)田中駿汰

終盤に畳み掛けて突き放す

 前節、首位・神戸との直接対決に敗れた横浜FMの目標は明確だ。勝ち点4差で残り5試合。とにかく勝ち続けてポイントを積み上げていくしかない。

 しかし、CBにケガ人が続出し、この試合を前にチームは厳しい状況に立たされた。3週間のリーグ中断期間に行われたルヴァンカップ準決勝第2戦で角田涼太朗と上島拓巳が負傷。この試合に臨むあたって本職のCBは實藤友紀しかいない状態となった。

 その結果、この日の札幌戦は實藤と本来ボランチの喜田拓也がCBコンビを組んだ。喜田はルヴァンカップの準々決勝で札幌で対戦した際にもCBを務めているが、相手は高さを重視する攻撃を展開するタイプではないため、身長170センチながら守備スキルとビルドアップ能力に優れる喜田の力が再び発揮されると踏んだのかもしれない。

 実際、札幌の攻めをしっかり受け止めていく。テンポの速い中で綻びを作ることなく、締まったゲームを展開した。互いにボールの争奪戦を繰り広げ、序盤から激しく攻守を入れ替えていく。スコアが動いたのは19分。横浜FMがカウンターから先制点を奪ってみせた。

 押し込まれたところで、札幌のパスワークが乱れると、アンデルソン・ロペスが即座にボールを回収。そのまま左前方を走り出した宮市亮にロングスルーパスを送り、先発起用に応えて快速アタッカーが独走。ゴール右にボールを流し込み、横浜FMがリードを奪った。

 失点後、札幌もゴールへの積極性を示したが、前半は横浜FMのゴールをこじ開けることができないまま終了。迎えた後半も札幌はルーカス・フェルナンデスのボックス内でのシュートや中村桐耶の左クロスに小柏剛が飛び込んだ場面など立て続けにチャンスをつかんだ。しかしネットを揺らすことはできず。56分に浅野雄也が右サイドを抜け出してそのままシュートに持ち込んだシーンも横浜FMのGK一森の好守によりゴールには至らなかった。

 一方、横浜FMも58分に植中朝日が抜け出し、A・ロペスにつなででシュートに持ち込むも、札幌のGK高木駿の好守で加点はならず。後半も一瞬で攻守が入れ替わるアップテンポの展開が続き、互いに次の1点の重みを感じつつゲームを進めていくことになった。

 75分には、西村拓真の敵陣でのボールカットから植中がフリーでシュートを放ったが、再びGK高木の好守に遭ってリードを奪えず。両チームともにチャンスをゴールにつなげられないまま時間が進み、いよいよウノゼロ決着が現実味を帯びてきた時だった。84分、途中出場の杉本健勇が大仕事をやってのける。

 自らヤン・マテウスに預けてゴール前に走り込むと、右クロスをボレー。ミートしたわけではなかったが、ボールはループ気味の軌道を描き、GKの頭上を抜いてゴールイン。横浜FMがついに2点目を手にした。さらに90+1分には、攻めに出た札幌の手薄になった守備陣をエウベルが突破。左サイドを切り裂き、ニアサイドを破って3点目をスコアした。

 札幌も意地を見せ、90+3分に田中駿太のゴールで1点を返したが、時すでに遅し。横浜FMは90+6分にも植中がネットを揺らして加点。4−1として勝利をつかみ取った。

 今季ここまでルヴァンカップも含め両チームは5度対戦し、札幌がホームで3勝して勝ち越していた。だが、今回はホームの横浜FMに軍配。4点を叩き込み、残り4試合、逆転優勝に向けて進む強い意思を示した。

▼出場メンバー
・横浜FM◎GK一森純、DF松原健、喜田拓也、實藤友紀(79分:杉本健勇)、永戸勝也(58分:吉尾海夏)、MF山根陸、渡辺皓太(69分:榊原彗悟)、植中朝日、FWヤン・マテウス、アンデルソン・ロペス(58分:西村拓真)、宮市亮(69分:エウベル)

・札幌◎GK高木駿、DF田中駿汰、岡村大八、中村桐耶(61分:小林祐希)、MFルーカス・フェルナンデス、馬場晴也、駒井善成(83分:ミラン・トゥチッチ)、菅大輝(83分:キム・ゴンヒ)、浅野雄也、スパチョーク、FW小柏剛(64分:福森晃斗)
 


This article is a sponsored article by
''.