JリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ第6節が17日、各地で開催された。グループDではすでに敗退決定のFC東京と、引き分け以上の結果でプレーオフステージ進出が決まるアビスパ福岡が対戦。互いにアグレッシブな姿勢を示しつつも試合は0-0で決着。福岡が自力でグループステージを突破した。

上写真=ボールをはじき返す福岡の熊本雄太(写真◎J.LEAGUE)

■2022年5月17日 ルヴァンカップGS第6節(@味スタ/観衆4,532人)
・FC東京 0ー0 福岡
 得点:なし

一つでも勝利を次につなげていきたい(輪湖)

 この試合における目標には違いがあった。ホームのFC東京はすでにグループステージ敗退が決定。一方の福岡は引き分け以上でプレーオフステージ進出が決定する。仮に敗れても他会場で行われている湘南対磐田で湘南が勝てば、グループDの2位となり、突破が決まる状況だった。

 両チームの状況も対照的だ。FC東京はリーグ3連敗中と調子が上がらない。対する福岡は直近の川崎F戦では敗れたものの、それまで公式戦6戦負けなし。そして今月3日のFC東京との対戦では5-1と完勝を飾っていた。

 モチベーションという点では福岡が上回るとも思われたが、FC東京も森重の復帰戦でもあり、公式戦で出番の少ない選手たちや若手が先発したこともあって、互いに序盤から積極的にゴールを目指す展開になった。

 FC東京のフォーメーションは4-3-3、福岡は4-4-2。FC東京は陣形のかみ合わせ上、フリーになる機会が多いのアンカー東を中心に攻撃を組み立て、前進を狙う。そして福岡も相手の3センターハーフのスライドよりも早く、サイドハーフの金森と北島を生かすべく、攻め筋を探った。

 前半はFC東京がやや優勢ながらスコアレスで終え、迎えた後半、福岡は前から圧力をかけてボール奪取の勢いのままゴールに向かう狙いを明確にしていった。55分にはアタッカーを二枚替え。J・クルークスとルキアンを投入し、右サイドハーフだった金森とルキアンで2トップを形成。J・クルークスが右サイドに回った。

 するとFC東京もピッチ内に手を加えた。渡邊に代えて岡庭、安田に代えて荒井をピッチに送り、陣形も4-3-3から3-4-2-1に変更(守備時は5-4-1)。福岡の圧力を受け止め、攻めに転じれば3バックでしっかりポゼッションしてボールを動かし、ビルドアップしていく。

 形を変えて幅を取れるようになったFC東京は65分過ぎからサイド攻撃でチャンスをつかみ、3連続でCKの機会を得るなどゴールに迫る。ゴールは生まれなかったが、FC東京が押し込む時間が続いた。この流れを変えるため、今度は福岡が2枚替えに踏み切る。73分に杉本に代えて田邉、北島に代えて田中を投入。ミドルエリアでボールからからめ取り、攻めに転じてゴールをうかがった。

 ボール回収と攻撃のサイクルを互いに実践しながら試合は進み、いよいよ残り10分を切る。引き分けでもプレーオフステージに進出可能な福岡にとってはリスクを考えつつ戦うことを求められる時間になった。85分にはクルークス、金森、湯澤が絡んで85分には右サイドを攻略。クロスはルキアンに合わなかったが、惜しいシーンを作り出した。

 試合は結局そのまま0-0で終了。福岡は終盤、引きこもることなく、しかししっかり時計の針を進めて、自力でグループステージを突破を決めた。戦前、「気持ちで相手を上回る」と話していた福岡の長谷部監督だが、指揮官の言葉を選手たちがやり切ってみせた。福岡としては最初のミッションをコンプリート。試合後、キャプテンマークを巻いて戦った輪湖は「一つでも多くの勝利を獲得して次につなげていきたい」と語った。

◆出場選手
・FC東京メンバー:GK児玉剛、DF中村帆高、東廉太、森重真人(46分:蓮川壮大)、バングーナガンデ佳史扶(62分:鈴木準弥)、MF品田愛斗、東慶悟、渡邊凌磨(58分:岡庭愁人)、FW三田啓貴、熊田直紀、安田虎士朗(58分:荒井悠汰)

・福岡メンバー:GK永石拓海、DF湯澤聖人、熊本雄太、井上聖也、輪湖直樹、MF金森健志(86分:志知孝明)、杉本太郎(73分:田邉草民)、森山公弥、北島祐二(73分:田中達也)、FW東家聡樹(55分:ジョルディ・クルークス)、城後寿(55分:ルキアン)


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