上写真=好調を維持するアダイウトン。名古屋とのルヴァン杯準決勝はまずアウェーで勝利を狙っていく(写真提供◎FC東京)
「多摩川クラシコ」でシュート4本
FC東京の次なる戦いは、名古屋グランパスとのルヴァンカップ準決勝だ。10月6日にアウェーで、10日にホームで戦う連戦。連覇のために、突破しなければならない。
名古屋を破るための、アダイウトンをめぐる好材料が3つある。好調であること。コンビネーションがスムーズであること。名古屋を苦にしていないこと。
好調ぶりは10月1日、川崎フロンターレとの「多摩川クラシコ」で何度もチャンスを作って見せつけた。
11分 左サイドでディエゴ・オリヴェイラのパスを受けてゴールへ突き進み、外を回った長友佑都へパスしてクロスを促す
14分 デザインされたFKで、高萩洋次郎から左でもらって鋭く中央へクロス、ジョアン・オマリのシュートを導く
23分 中盤でジェジエウから奪ってそのままドリブルで突き進み、最後は車屋紳太郎に止められるが、カウンターで脅かす
30分 左でキープし、インサイドを駆け抜けた長友へスルーパス、ニアへ送ったクロスが田川亨介に合うがシュートは左へ
33分 高萩の引き技と股抜きのコンボからインサイドで受けて、右足でフィニッシュ
51分 自陣からのロングカウンターで50メートルほど自ら持ち込み、最後はそのままシュートまで狙う
73分 右サイドを走ったディエゴ・オリヴェイラからパワフルなセンタリングがファーに来て、右足でダイレクトボレーを狙う
87分 長友をワンツーで左裏に走らせ、クロスが中央のディエゴ・オリヴェイラへ届く
89分 渡邊凌磨がヘディングで裏へ落とすと、走り込んで左足ボレーで狙う
どれもゴールには至らなかったが、これだけ攻撃を活性化したことに手応えもある。
「悲観することはないと思います。最後まで集中力を持ちながらみんなで力を合わせていい試合ができました。チャンスをたくさん作ったし、決めきれないところは残念ですが、前向きに進みたいと思います」
シュートは4本。今季の自身最多タイだった。
コンビネーションも高まってきた。特に長友、高萩とはよく絡みながら左を崩していった。
「左で長友選手との関係いい形で崩せたところもあったと思いますし、高萩選手とのコンビでフィニッシュまでいけたシーンもありました。私だけではなく、途中から出場した選手も含めていいプレーができました」
長友は日本代表に参加するためルヴァンカップ準決勝は欠場するが、「これまでもカシーフ(バングーナガンデ佳史扶)や小川(諒也)などともいいコミュニケーションを取れていました」と、前後関係を築くパートナーに誰が入ってもフィットさせる自信がある。
そして、名古屋との相性だ。昨季のルヴァンカップ準々決勝では2-0でリードした74分に登場、2分後には勝負を決定づける3点目を決めている。今季もリーグ戦では0-0、1-1と決着がついていないが、9月22日の1ゴールはアダイウトンが左足で決めたものだ。
「もちろん、試合によって決められるときもあればそうではないときもありますが、それでもやはり決めているのはいいことですね。次もいい試合をして、ゴールを決められればいいと思います」
相手も堅守が売りだが、突き破るにはやはりアダイウトンの高速アタックが必要だ。まずはアウェーで粘り強く戦って、10日のホームゲームで決着をつけるつもりだ。