4月3日の明治安田生命J1リーグ第7節で、新布陣の4-3-3でガンバ大阪を迎え撃ったサンフレッチェ広島。より前方でプレーしたMF川辺駿は、多くのチャンスを作りながらも勝ち切れなかったことを悔やんだ。

上写真=攻撃をリードする働きを見せた川辺だが、チームは最後まで得点できずスコアレスドロー(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月3日 J1リーグ第7節(@Eスタ:観衆8,865人)
広島 0-0 G大阪

「勝ちながら内容を良くしていくことが重要」

「ガンバの選手から聞きましたが、今日の試合の前に90分間やっていない、練習試合ができていないことを考えれば、自分たちが勝たなければいけない試合だったと思います」

 2月27日のJ1リーグ開幕戦の後、選手やスタッフに新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、リーグ戦6試合を開催できなかったG大阪は、限られた準備期間で広島戦に臨んでいた。試合後のオンライン会見で川辺は「後半、相手が(運動量が)落ちたところで先制点を取れれば、ほぼ勝ちだったと思う。点を取り切れなかったことが、もったいない」と0-0の引き分けを悔やんだ。

 広島はこの日、新布陣の4-3-3でスタートし、それまでの4-4-2や4-2-3-1ではドイスボランチの一角だった川辺は、1列前のインサイドハーフでプレーした。初招集された日本代表の活動から戻ってきて「体が重かった」と明かした一方、「時間が経つにつれて、立ち位置やボールを呼び込むタイミングを修正できた。後半は、よりスムーズに自分のところに(ボールを)入れてもらえたと思う」とコメント。さらに「前半は我慢して、良いボールが入らなくても相手を動かしたことで、後半に相手の運動量が落ちた。自分たちがボールを保持しながら、相手の運動量を使っていく(走らせる)ことができれば、後半に時間とスペースができると思う」とイメージを膨らませている。

 ただし、G大阪とのコンディションの違いやチャンスの数を考えれば、やはり勝てなかったことはマイナス要素。川辺自身も決定機になりかけた場面で、細かいミスが出て得点を奪えなかっただけに、「良さが出たシーンもあれば、改善する部分も多いと思います。チームが上に行くためには、チャンスで決め切ることが必要。試合内容は良くなっていくと思うので、勝ちながら内容を良くしていくことが重要だと思う」と今後に目を向けた。

 この日から5月末まで、週2試合ペースの17連戦。「(広島より)下にいるチームに取りこぼしているようだと、上には行けない。川崎Fや名古屋のような上位とも対戦があるので、食らいついていけるようにしたい」と語った川辺は「連戦で、すごく試合がある。チーム全体で良い準備をしなければいけない」と総力戦への覚悟を口にしていた。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE


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