上写真=オフ期間も自分に足りない部分を強化したという内田宅哉(写真提供◎FC東京)
2021年シーズンの選手会長に就任
これまでとは、覚悟が違う。プロ5年目のシーズン。内田宅哉は自ら多くのものを背負うと決めた。
一つは選手会長という立場。そしてもう一つが、ユース時代にも付けていた14番という背番号。
「チームがより良い方向にいくように力になりたいというのがあったので、選手会長にならせてもらいました」
これまで多くのアカデミー出身選手が担ってきた役割を、内田は引き受けた。東慶悟や高萩洋次郎に背中を押してもらったこともあったが、「いつかはやらないといけない」と思ってきたという。それが勝負の年と位置付ける今年になった。
2017年からU-23チームでJ3を主戦場にしてきた。J1の出場歴は4年間で3試合。だが、昨シーズンは超過密日程による総力戦だったこともあり、多くのチャンスを得た。そしてプレーで信頼を勝ち取っていく。25試合に出場し、ACLでも3試合でピッチに立った。
「去年は、自分としてもそうですが、監督にも守備の面で高い評価を得られたという感覚はあります。ただ、もっともっと攻撃の部分で得点に絡む動きというのを増やさないといけない。そこができればさらに(自分の)価値が変わってくるのかなと思っています」
昨季、手にした自信を携え、新シーズンに臨む。進むべき道はしっかり見えている。
「東京の14番は、前は武藤(嘉紀)選手が付けていました。活躍しないといけない。簡単につけられない、つけることのできない番号だと持っています。その責任は果たさないといけない」
重い背番号だが、自分でクラブに申し出て「14番をつけたい」と言ったと明かした。2021年に懸ける思いの強さが分かる。
「率直に、ルヴァンカップで優勝できたというのはうれしいし、その場に、まあ少しですけど、試合に出られたというのもうれしい出来事でした。ただ100パーセントうれしいかと言われると、そうでもなくて。自分がもっと活躍して優勝するというのが理想なので。そうなるために今年は、自分が活躍してリーグ優勝、ルヴァンカップも天皇杯も優勝を目指して頑張りたい」
ルヴァンカップ決勝を1月4日に戦ったあと、オフ期間は短かったが、自分に足りないと自覚する部分を強化すべく、トレーニングしていたという。ハードワークのための運動量をさらに上げれるように努め、ゴールに絡むスキルアップに励んだ。
「去年、成し遂げられなかった、得点を取るということは大前提で、その他にもアシストだったりとか、チームを勝たせる働きをどんどん増やしていきたい」
背番号は28から14に変わり、数字は軽くなったが、背負うものは逆に大きくなった。でもそれは内田自身が望んだこと。チームを勝たせる存在になるという決意を胸に、青赤の新しい14番は新シーズンに臨む。