水戸で長谷部茂利監督とともに戦った男が、福岡の地で合流した。志知孝明は横浜FCからアビスパ福岡に移籍して、新シーズンを戦う。2年連続で「移籍1年目をJ1昇格チームで戦う」という状況になったが、勝ち抜く経験を胸に新しい挑戦を始める。

上写真=「ワイワイ明るくてなじみやすい」のが、志知孝明の新チームへの印象。左サイドを駆け抜ける(写真◎スクリーンショット)

「アグレッシブに戦う気持ちを前面に」

「直感ですね」

 横浜FCからアビスパ福岡に移籍してきた志知孝明。決断の理由はシンプルだった。

「迷っていた部分もあったんですけど、最後は直感だったんです」

 水戸ホーリーホックでともに戦った長谷部茂利監督の存在もあったが、その思い切りの良い決断はプレースタイルともリンクしているのかもしれない。左サイドバックとしてスピードと推進力を生かした攻撃が大きな魅力。

「前へのパワーをどんどん出していきたいですし、ゴールにつながるプレーを出していきたいですね」

 本人もその部分で勝負する気満々だ。まずは輪湖直樹や湯澤聖人らとの競争になりそうだが、「厳しいですけど、特徴をしっかり出してアピールしていきたい」と引き締める。武器はその前へのパワーと、昨季のJ1での経験だ。

「水戸でサイドバックになって去年が2年目だったんですけど、うまくいかないことが多いシーズンでした。J1で戦ったということもありますし、ビルドアップ重視のサッカーの中で、いかに自分の特徴を出すのか苦労した部分がありました。でも最後は出せるようになって、点も取れるようになったし、1年を通してJ1のスピードに慣れることができました」

 そのJ1はどんな舞台なのだろう。

「J2とは全然違います。選手の質が高くて一瞬のスキで決められてしまうから、スキを作らないようにしなければいけない。でも、勝つには点も取らなければいけないですから、僕も攻撃でもパワーを出していきたい」

 2020年は横浜FCで、2021年は福岡で、それぞれ移籍1年目に昇格チームの一員としてプレーすることになった。なおさら、その経験が物を言うシーズンになるだろう。昇格チームはまずどんな姿勢でJ1に挑んでいくべきなのだろうか。

「スタートダッシュが大事だと思います。いかに勝ち点を積み上げるかが、特に今年はアビスパで大事になってきます。どんどんアグレッシブに戦う気持ちを前面に出していって、前からガンガン行って、相手は強豪ばかりですけど自分たちのやりたいことを自分たちから出していければと思いますね」

「やることを整理してJ1で戦っていければ、細かいところ意識してきちっとやっていけば、勝ち点は積み上げられると思います」

 つまりは、怯むな、ということだろう。その心意気を、開幕までの1カ月で積み上げていくつもりだ。


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