FC東京は3日、ACLのグループステージ最終戦、パースグローリー戦に臨み、1-0の勝利を飾ってラウンド16進出を決めた。その試合で大きな存在感を示したのが今大会初出場となるセンターバックの丹羽大輝だった。

上写真=今季3試合目の出場ながら集中したプレーで勝利に貢献した丹羽大輝(写真◎Getty Images)

■2020年12月3日 ACL第6節
(リモートマッチ/@カタール・エデュケーションシティ・スタジアム)
パースグローリー 0-1 FC東京
 得点:(F)アダイウトン

勝つことだけを考えた

 丹羽の声が、ピッチに声が響きわたっていた。後方から前へ、あるいはディフェンスラインを組む横の選手へ。90分間、絶えることはなかった。

 今季、Jリーグでは2試合しか出場していない。そのうち1試合は1分間のみの出場で、先発フル出場したのは第20節の湘南だけ。ただその湘南戦もこの試合と同様に若手主体で臨んだゲームで、1-0の完封勝利を飾っていた。

「勝たないと次に行けない可能性もあったので、勝つことだけを考えてプレーしました」

 本人は事も無げに振り返るが、パースグローリー戦はまさしく大一番だった。ラウンド16進出がかかっていたからだ。それでも試合に臨むスタンスについては「普段の自分を出せればと思っていました。あまりいろんなことは考えずに、ただただサッカーをして、目の前の相手に勝つことだけを考えてやっていたので。それが普段どおりの自分を出せたかなと思います」と話す。

 実際、落ち着いていた。品田愛斗や内田宅哉、田川亨介、それにディフェンスラインを組む中村帆高、中村拓海ら若い選手が多い中で、歴戦の勇士然としたその振る舞いで落ち着きを与えていた。長谷川健太監督は、「出場機会の少ない選手が試合を作ってくれた」と話したが、丹羽はその中心にいたと言っていい。

「コロナの影響で無観客だから、ものすごく声が通る。自分的にはラッキーでした。(若い選手が)自信をつけるようなポジティブな声がけを、ミスしても次につながるように、良いプレーをしたらどんどん褒めていって、良い形でチームの潤滑油になるというか。自分のコーチングによって良い流れを生み出せるように意識していました」

 チームを鼓舞し、前進させる声とプレーだった。

「ラインコントロールを意識してコンパクトに保つというところ、自分自身が球際に強くいくというところ。この二点は強く意識していました。結果的にそれで何回か、いい形でボールを取れましたし、相手の決定機はほとんどなかったと思います。それは中盤も前線も含めてコンパクトに保てたから。あとは前半後半の立ち上がりの10分、15分をいい入りができたので、それがいい流れを引き寄せられた要因かな」

 大会初出場、しかも今季3試合目ながらスムーズにゲームに入り、プレーできるのは普段からしっかり準備しているからこそだ。丹羽は、その姿勢とプレーで、勝利に大きく貢献した。


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