上写真=10月29日、トレーニングを行なうエヴェラウド(写真◎KASHIMA ANTLERS)
仲間への揺るぎない信頼。「僕は断言できる」
26試合を終えた時点で、鹿島の勝ち点は「45」。エヴェラウドは「(首位の川崎Fが)連敗しない限りは、1位になることは難しい。現実的には2位というのが一番の目標になってくる」と、現状を踏まえて目指すべきところを見定める。J1リーグ制覇は難しい状況だが、「タイトル」への希望は潰えていない。天皇杯で優勝するために、その出場権が与えられる2位の座をつかむべく、とにかく勝ち続けるしかない。
「僕らの合言葉は『8回の決勝』」。チームとして、リーグ戦の残り8試合をそのように捉えていることをエヴェラウドは明かす。その中でも、「おそらく、一番重要な決勝」と見ているのが、次節の名古屋戦だ。勝ち点で並ぶ上位争いのライバルとの「直接対決」。
「グランパスは1試合少ない。我々にとっては2位にたどり着くために、非常に重要な試合です。勝つために、自分たちがやるべきことをやる。また、ホームの試合なので、多くのサポーターに応援してもらうことで、この重要な試合を、最終的には勝って乗り越えることができると思っています。(サポーターと)共に戦えば、より強さがピッチ上で発揮されますので」
前節は広島を破り、2連勝を飾った。その試合では今季4度目の完封勝利を達成。最前線のポジションを務めるエヴェラウドは、サッカーという競技において守備陣が活躍することの重要性を強調する。
「チームの土台というのは、ディフェンスの方です。ゴールキーパー、センターバック、サイドバック、ダブルボランチ。彼らが守備の役割を果たすことができれば、チームは安定していきます。一時期はあまり連係がかみ合わず、無理なボールの持ち方をして失点してしまったり、セットプレーでもったいない失点をして敗戦につながっていましたが、最近ではセットプレーでの失点はほぼゼロだし、ビルドアップのところでボールを失うこともだいぶ減りました」
また、今季ザーゴ監督の下でスタメン出場を続けているGK沖悠哉について、「キーパーは非常に自信を持ってプレーしているし、クロスボールの処理も良い」と、そのパフォーマンスを称賛する。ブラジル人ストライカーは、最後尾からチームが安定することで前線の攻撃陣にも好影響をもたらしていると話す。
「失点したり、敗戦の結果になってくると、攻撃の選手であってもチームを助けるために、守備に意識が行ってしまう。そうすると攻撃に移ったときに体力が足りなかったり、精度を欠いたりしてしまいます。危ない場面が減れば、我々攻撃の選手は、攻撃に集中できる。チームとして全体的に安定してきていることが相乗効果を生み、良い結果につながっているのではないでしょうか」
そして次節の名古屋戦、さらにその後も横浜FM戦、川崎F戦と、上位陣との戦いが続いていく。
「僕自身が一番重要なのはチーム。いかにしてチームの勝利に貢献できるかということを考えてプレーしています。今シーズン、まだ残っている目標をみんなで達成できる。(鹿島には)それだけの選手の能力があるので、僕はそう断言できます。そして、アントラーズの歴史や、ユニフォームを着ることの重みを全員で感じながらプレーしていけば、自ずと結果はついてくると思っています」
伝統のエンブレムを胸に、エヴェラウドは信頼する仲間とともに難敵撃破へ準備を進める。