上写真=10月28日、トレーニングを行なうファン・アラーノ(写真◎KASHIMA ANTLERS)
「安心して攻撃に専念できる」
来日1年目のシーズンも、いよいよ終盤戦。今シーズン開幕当初はチームとともに結果が出ずに苦しんだファン・アラーノだが、月日の経過とともにチームメイトとの連係も向上。個人やチームのパフォーマンスに手応えを感じている。
「それぞれの立場での、それぞれの役割ということでは、全員が良い状態になってきました。時間が経ってお互いを知り、意思疎通ができるようになり、チームとしての連係が高まってきました」
ファン・アラーノが特に強調するのは守備陣の「安定」だ。前節の広島戦で、今季4度目の完封試合を達成した守備陣の奮闘ぶりを称え、攻撃陣の活躍を支えている存在であることも強調する。
「後ろが安定してきました。(自身は)攻撃の選手ですが、安心して攻撃に専念できます。中盤(の選手)も非常に強度を上げてやっている。我々、攻撃の選手としては良い形でボールが入ってくるので、良い形で前へ進むことができます。自分の形に持って行くことにもつながっています」
次節でホームに迎えるのは、勝ち点「45」で並ぶ名古屋。前節の相手である広島と同様に、上位争いのライバルとなるチームだ。さらなる上位進出を目指す上では、ホームでの勝ち点3獲得が至上命令となる。
「この名古屋戦が、今後のリーグ戦の行方に関わってくるんじゃないかと思います。グランパスはうちより1試合少ないわけであって、我々が彼らに追いつくための直接対決。それをしっかりと制することができなければなりません。全員がその意識を持って、今週(のトレーニングに)取り組んでいます。負ければ自分たちの目標から遠ざかる形になってしまうので」
そして、名古屋戦で勝利を収めるために「12番目の選手」の必要性を訴える。10月は本拠地カシマスタジアムの入場者数制限が緩和され、最大収容可能人数が約2万人となっている。前節の広島戦では今季最多の7466人がカシマスタジアムに詰めかけたものの、2万人からは程遠い数字だ。ファン・アラーノは次節の名古屋戦を含めた残りのホームゲーム6試合で、より多くのサポーターとともに勝利を重ねていくことを求めている。
「(J1リーグ戦の残り)8試合のうち、6試合がホームということはアドバンテージでもあります。ただ、それを活かすためには、やはり(多くの)サポーターがいること。制限がある中でも、できるだけ満員になってほしいし、僕らを信じて後押ししてほしい。やはり、サポーターが後押しをしてくれることで、我々は常にゴールを目指し、勝利を目指し、最後まであきらめずに戦えます。残り試合ではアウェーも(2試合)ありますが、特にホームの試合は(多くのサポーターが)スタジアムに足を運び、我々の力になってくれることをお願いしたい。(サポーターと)共に戦うことで、アントラーズは非常に強くなりますので」
1万人、いや2万人の鹿島サポーターで埋め尽くされたホームの景色を思い浮かべながら、7番を背負うブラジル人アタッカーはさらなる高みを目指していく。