鹿島アントラーズの小泉慶が28日、柏レイソル戦を翌日に控えてオンライン取材に応じた。FC東京戦では右サイドバックとしてプレーし、役割を見事に全うしてみせた。本人は仲間の思いを背負い、覚悟を持って古巣レイソル戦に臨むと語った。

上写真=負傷欠場中の広瀬や引退した内田の思いを背負ってプレーしたいと小泉は話す(写真◎Getty Images)

篤人さんにすごく励まされてきた

 逆転勝利を収めたFC東京戦で、小泉は右サイドバックを務めた。主戦場はボランチ。これまでにも何度も右SBを担当しているが、専門職ではない。

「サイドバックでのプレーだったので対人の部分でやられてしまうと、戦術どうこうではなくなってしまう。だから1対1で負けないようにと思っていました。あとはボールを持ったときに力が入れ過ぎずにプレーできれば、いいところ(=いい選択)も自然に見えてくると思ったので、自然体でプレーしようと心掛けていました」

 その目的は実際にピッチで果たされた。攻撃では内側にポジションを取る右サイドハーフのファン・アラーノが空けたスペースに攻め上がり、幅を取って攻撃に加わり、守備では相手左ウイングの内田宅哉に仕事させなかった。

 いまの小泉には多くの人の思いを背負っているという自覚がある。例えばそれは、ケガで戦列を離れた右サイドバック、広瀬陸斗の思いであり、先日引退した内田篤人の思いだ。

「陸斗のケガというのは、予想外でもあったし、僕は同い年なのでピッチ外でもよく一緒にいますけど、全治2カ月は長いと思うので…ケガしたくてしてるわけじゃないですし。それに篤人さんの引退もあって、だからそういう人たちの思いを背負ってピッチに立つときには立たないといけないと思っています。
 陸斗以外でも、僕もありましたけど、ベンチ外になっている選手もいるし、入りたくても入れない選手の気持ちも考えて、ピッチに立たないといけないと思います」

 先日引退した内田は引退会見の席で決断の理由を語る際に、小泉の名前を挙げていた。「練習中もケガをしないように少し抑えながら、ゲームでも少し抑えながらというのが続いていた。例えば永木(亮太)、小泉慶、土居(聖真)くんとかが練習を100パーセントやるなかで、その隣に立つのは失礼だなと思うようになった。鹿島の選手としてけじめをつけないといけないと感じました」。日本を代表する右サイドバックが名前を挙げたことについて小泉の感想はこうだ。

「チームのミーティングで、篤人さんが引退を発表するときに自分の名前を出してくれいました。経験のある選手から名前を出されるのはうれしく思いましたけど、あの人自身も100パーセントでやっていたし、僕もなかなかベンチに入れなくて、一緒にトレーニングする機会が多かったので。すごく励まされるというか、常にプラスになる言葉を僕に言ってくれていましたし、頑張れました。だからこそ淋しいし、そんなことは言ってられないんですけど。本当に、そういう人の思いも背負って今後、サッカーをやっていかないといけないと思っています」

 明日29日に中2日で臨む試合の相手は柏レイソルだ。小泉にとっては古巣である。

「もちろんいい経験させてもらったチームです。僕はレイソルで活躍してここに来たわけではないので、悔しい思いをしてここに来た立場。だからやっぱり絶対負けられないという気持ちは強いです。
 見返したいという気持ちしかないというか。ずっとメンバー外で、紅白戦にも出られなかった。そういう気持ちを忘れないでやってきて、今も頑張れている。そういう経験があったから、鹿島で頑張れる理由になっていると思います」

 出場機会を求め、昨季途中に鹿島に加わった。取材時点で遠征メンバーに入るかどうか分からないと断った上で、小泉はそんな強い思いを口にした。古巣に成長した姿を見せるべく、アントラーズの小泉慶が日立台に帰還するーー。


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