上写真=ホームで迎える明日の鳥栖戦に向けてトレーニングする三田(写真◎FC東京)
どこでもやれる感覚がある
開幕戦以来の出番を得たのは、前節の鹿島アントラーズ戦。東慶悟ら中盤にケガ人が出たこともあり、久々に出番が回ってきた。そしていきなり、2アシスト。得意のキックでCKから2ゴールを演出した。
「セットプレーも武器にしていきたいところではあるんですけど、自分のプレースタイルはそこが特徴というわけでもないと思っています。もっともっとミドルシュートだったり、攻撃に絡んでいくところも見せていければ」
と本人は言うものの、キャプテン不在の緊急事態に先発して、いきなり結果を出した。そんな三田の力を、長谷川健太監督も称賛。鹿島戦後に指揮官はこんなコメントを残している。
「2アシストを記録するセットプレーの精度のキッカーを務め、中盤の構成でも技術を発揮してくれた。8月も連戦が続きますが、チーム全体でしっかり戦っていきたいと思います」
三田の技術は誰もが認めるところだが、久々の出場で難しさはなかったのか。その点についても、本人は事も無げに言った。
「しっかりチャンスが来たときにプレーするということだけを考えて、コンディションを上げておこうと思っていた」
イレギュラーな今シーズンを戦い抜く上で「チームの総合力」、とりわけ「選手層」がポイントとなるのは周知の事実だ。FC東京にとって、その意味でも三田の存在は大きい。
「自分ところで時間を作ったり、セットプレーでもチャンスを演出していきたいですし、(東)慶悟が大きなケガをしてしまったので、その代わりになる選手がやらなきゃいけない。毎試合、気持ちを入れて戦っていきたいです」
本人も、並々ならぬ覚悟を持ってゲームに臨んでいた。チームが必要とするなら、サイドでもボランチでも、どこでもやる。
「3ボランチでやるときもあるし、2ボランチもサイド、トップ下とかいろいろなポジションをやってきている中で、共通しているのはやっぱりハードワークするところ。どのポジションでもそれは欠かすことができないですし、どのポジションに入ってもやれるという感覚はある。(どのポジションでも)問題ない」
橋本拳人が抜けても、東がしばらく不在となっても、三田がいる。2020年シーズンを戦い抜く上で重要なのは「選手層」だが、その選手が思い持ってチームのために力を注げる存在かどうかも重要だろう。