8日に行なわれた多摩川クラシコで、FC東京は川崎フロンターレに完敗した。献上した4ゴールはすべて前半のうちに生まれたもの。東慶悟キャプテンは完敗を認め、1失点目が大きかったことと、気落ちしたチームを立て直せなかったことを悔やんだ。

上写真=次回対戦までに成長したいと東キャプテンは語った(写真◎小山真司)

■2020年7月8日 J1リーグ第3節(@味スタ)
FC東京 0-4 川崎F
得点:(川)大島僚太、レアンドロ・ダミアン、長谷川竜也2

2点目を決められて難しい試合になった

「入りは悪くなかった」と長谷川健太監督と同じ感想を、東慶悟キャプテンも持っていた。最初の失点で状況が一変し、すぐに2点目を失って「難しい試合」になったと振り返った。

「先制点が大きかったかなと思います。そのあと5分後くらいですか、2点目を取られたところで難しい試合になりました。こういうレベルの高い相手に簡単にゴールを取られれば、難しい試合になるなという印象です」

 最初の失点、ボックス内に人数は足りていながら、2列目から走り込む大島をほぼフリーにしてしまった。寄せ切れず詰め切れなかった後悔を払しょくできないままに、FC東京は失点を重ねてしまう。山根視来に左サイド深くえぐられてクロスを許すと、レアンドロ・ダミアンにゴールを決められた。最初に失点から6分後だった。

 動揺が走ったチームを、正常な状態に立て直す前に再度の失点。精神面もさることながら、ボールの争奪戦や攻守の切り替えの早さで次第に劣勢を強いられ、後手を踏むケースが増えたことも大きかった。指揮官も「守備の軽さ」という表現で、人に当たれない状況を反省していた。

 前半は相手に圧倒されたまま、3点目、4点目を献上することになった。1失点目はスローインの流れからだったが、そのほかの3失点は完全なオープンプレーでやられた。ギャップに入り込む相手をとらえられず、負の流れを断ち切れず。そもそもボールの争奪戦や1対1の戦いでイーブンな状態にあることを前提していたために、チームが形にならなかったのも当然だった。

「すごくうまい相手なので、スキを見せるとああいうふうに失点してしまう。終わったあとだといくらでもなんでも言えるんですけど、守るところはしっかり守らないと。そこは後半できていた部分だと思うので、それを前半から90分間、こういう相手はすごく難しいですけど、しっかり耐えながら、こっちもスキを突いていったり、セットプレーで1点を狙うとか、そういう試合展開にできればよかった」

 あまりに悔しい敗戦も、糧にして前に進むよりほかはない。この日は橋本拳人と室屋成がベンチスタートで、これまでタイトな守備を体現してきた選手が前半のピッチに足りなかったことも事実だった。実際、すでに点差がついて川崎Fがペースダウンしたこともあるが、後半のFC東京に守備の軽さは感じられなかった。しかしながら、今季の過密日程では今後も主力がベンチスタートとなる状況は十分にあり得る。また、橋本は7月18日を最後にロシアのFCロストフへ完全移籍することが発表された。

 守備の軽さやボールを奪ったあとのプレーの質など改善すべき点は、はっきりしている。「きょうはうまくいかなかったですけど、長いシーズンだとこういう試合もあるし、あまり悲観せずに、いいところもあったと思うので。もう1回、等々力で川崎とは試合ができるので、それまでに成長していたい」と東は前を向いた。昨季に続き、ライバルにホームで大敗した屈辱を、どう消化し、次につなげるか。終わった試合の結果は変えられないとすれば、問われるのは今後のチームの歩み方であり、次回対戦での戦いぶりになる。

写真◎小山真司


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