上写真=鳥取の練習試合に参加した米子北高の4人。左からMF栗原優弥、MF佐野航大、DF海老沼慶士、DF鈴木慎之介(写真◎石倉利英)
選手権では「全く良いプレーができなかった」
鳥取は2月21日、練習拠点としている米子市のチュウブYAJINスタジアムで、関西リーグ1部のチェントクオーレハリマ(バンディオンセ加古川から2020年に改称)と練習試合を実施。一般のファン・サポーターにも公開され、約600人の観客が集まった。
45分×2本で行なわれた一戦には、地元の米子北高の2年生4人が参加してメンバー入りしていた。DF鈴木慎之介は出場機会がなかったものの、DF海老沼慶士、MF佐野航大(FC町田ゼルビアMF佐野海舟の弟)、MF栗原優弥は、1-1で迎えた後半の残り10分から出場。練習試合とはいえ、プロ選手とともに実戦でプレーした。
日々鍛えている走力を生かし、それぞれが懸命にボールを追った。左サイドで出場した海老沼は、相手ボールになった直後に素早い切り替えで奪い返したり、サイドを攻め上がってセンタリングを送るなど精力的にプレー。試合後は「プレーやアプローチのスピード、切り替えの早さなどがプロと高校生では全然違う」と驚きつつ、「貴重な経験になった」と振り返っていた。
米子北高は11年連続16回目の出場を果たした前回の高校選手権で、これ以上ない悔しさを味わっている。12月31日の1回戦で山梨学院高(山梨)と対戦。前半からチャンスを作りながらも得点できず、0-0で迎えた終盤の69分(40分ハーフ)にロングスローからヘッドで決められて失点、0-1で敗れた。
惜敗の悔しさは、山梨学院高が勝ち上がって優勝したことで、より大きくなった。あのとき勝っていれば、優勝していたのは自分たちだったかもしれない――。左サイドバックでフル出場した海老沼は「ビビってしまい、全く良いプレーができずに終わってしまった」と唇をかみ、「悔しい気持ちが残っている。次は絶対に優勝したい」と意気込む。
すでに新チームがスタートし、日本一への挑戦も始まっている。「まだ全然ダメなので、しっかりやっていこうと話し合っている」と語る海老沼をはじめ、それぞれの選手がこの日の経験をチームに持ち帰り、レベルアップにつなげていく。
取材・写真◎石倉利英