■2018年8月28日 AFCチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦
鹿島 2-0 天津権健(中国)
得点者:(鹿)レオ・シルバ、セルジーニョ
試合の序盤からボールを支配して天津権健陣内に攻め入る鹿島だったが、ゴール前での相手の守備が堅く、なかなか得点を奪えない。それでも後半、遠藤のパスを受けたレオ・シルバが右足でゴールネットを揺らすと、72分にはセルジーニョが左足を振り抜いて加点。鹿島のブラジル人コンビが1ゴールずつを挙げ、ホームでの第1戦を制した。
※チーム2点目となる豪快なミドルシュートを決めたセルジーニョ 写真◎J.LEAGUE PHOTOS
「リスクを負わなければ、何も得られない」
来日初ゴールはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台で生まれた。
鹿島の1点リードで迎えた72分。安西からのパスを受けたセルジーニョが、ペナルティーエリアの外側にもかかわらず「目の前がゴールだったので」と、左足を一閃。「うまくミートできてよかった」という強烈なシュートが、ゴールネットへと突き刺さった。
シュートを打つ前には、左サイドで味方選手がフリーとなっていた。それだけに、パスをして、ゴール前でクロスを呼び込む選択肢もあっただろう。だが、「(パスをせずに)シュートを打って、もしも入らなかったら、たぶんチームメイトからブーイングを受けたと思うけれど、リスクを負わなければ得点することはできないし、何も得られない」と、きっぱり。「ボールを受けたときには、シュートの意識しかなかった」と、ゴールへの強い意欲が奏功し、チームに貴重な2点目をもたらした。
「サポーターの期待に応えられてうれしい」
7月に鹿島への加入が発表され、リーグ戦ではここまで2試合に出場。しかし、「Jリーグの試合でも得点を狙っていたけれど、なかなかうまくいかなかった」と、ゴールを決められない歯がゆさも感じていた。
そんな中で迎えた自身にとって初めてのACL。「自分一人の得点ではなく、チームメイト、スタッフのおかげだし、なおかつサポーターの皆さんが応援してくれているので、その期待に応えたい思いが一番強いから、今日はそれができてうれしい」と、鹿島での初得点を喜んだ。
だが、ACL準々決勝は、まだ第1戦を終えただけ。3週間後には、ベスト4入りを懸けたアウェーの地での第2戦が控えている。
「この1点にとどまらず、引き続きゴールを取り続けていければと思っている。僕にとってACLは今日が初体験だったけれど、チームにとしても自信を持って、次のステージ(準決勝)、そして決勝に行きたい」
サッカー王国からやってきた新たな助っ人が、鹿島の悲願達成に向けてさらなる活躍を誓う。
取材◎小林康幸