上写真=立ち上がりから得点を重ねた大宮がアウェーでI神戸に快勝した(写真◎森田将義)
■2026年3月7日 WEリーグクラシエカップ・グループステージ第4節(@神戸ユニバー:観衆643人)
I神戸 1-4 大宮
得点:(神)道上彩花
(大)兼平莉紗、浜田芽来、佐藤百音、大島暖菜
「最後はみんなで体を張って走り切って守ればいい」
SOMPO WEリーグで首位に立つI神戸が相手でも、大宮にひるんだ様子は見られなかった。「他のRBグループの女子と比べたら、まだまだ下手くそだと思います。でも、マインドはどこよりもレッドブルらしく戦おうという思いがある。うまくないので、ドロドロになって帰ってくるぞ、というのはチームとして共有しているところ」。そう振り返るのは柳井里奈監督で、終始アグレッシブに戦っての快勝だった。
前半から戦い方は明確だった。「相手にGKを使いながらCBとアンカーでパスを回されたら、引き込まれてしまう。そうなると、ずるずる下がってプレッシャーがかからなくなるのは見えていた。オールマンツーマンくらいのテンションで行けたら、両FWの強さが出る」。DF乗松瑠華の言葉どおり、FW西尾葉音、FW齊藤夕眞の2トップを中心にハイプレスを徹底し、高い位置で奪ったボールを素早く運んでチャンスをうかがった。
勢いのまま立ち上がりの6分、MF宗形みなみの右CKからDF金平莉紗がヘディングシュートを決めて先制したが、直後の8分に追いつかれる嫌な展開となった。「インサイドハーフのところからランニングされると予想していたのですが、クオリティーやスピード感に後手を踏んでしまった」(柳井監督)場面も見られたが、ピッチ内で修正できるのが今季のチームの強み。「前からプレッシャーをかけて、ここで奪おうというのがはっきりしていた」と乗松は語った。
26分のプレーはそうした守備の良さが出たシーンで、相手GKがアンカーにパスを送った瞬間を逃さず、MF髙橋美紀がアタック。こぼれ球を拾ったMF阪口萌乃が素早くエリア内左にスルーパスを送ると、走り込んだMF浜田芽来が右足でゴールネットを揺らした。さらに前半終了間際の45+1分には、左CKをGKが弾いたこぼれ球をDF佐藤百音が蹴り込み、3-1とリードを広げて前半を終える。
「消極的なプレーが多かった。かなり人をつかんでくるというか、マンマークのような形で来た相手に対して、個々の能力が足りていなかった」と宮本ともみ監督が評したI神戸は、後半に入って攻撃を修正。DF太田美月とDF三宅史織のCBコンビがボールを持つ時間が増えたものの、大宮の選手に焦りの色は見られない。
「チームが攻守において機能しない時間帯は絶対にある。そこで守り切るというより、はじき切ることができると、またチームの攻撃の勢いがついてくるので意識しています」と乗松が語ったように、押し込まれる場面が続いても守備陣が最後まで粘り強く対応し、チームで『かぶせ』と呼ばれている体を投げ出した守備でピンチを阻止。51分にI神戸FW吉田莉胡にゴール前で抜け出されそうになった場面も、乗松がスライディングでブロックし、シュートを枠に飛ばさせなかった。
「かわされるにしても、何とか体をぶつけて相手のドリブルを大きくする。チャレンジ&カバーの意識もそう。ボックス内はしっかり人につく。ヒットされるときも体をぶつけて、枠に飛ばされてもボールが緩ければ、私たちのGKは反応できる。そこは普段から意識している」(柳井監督)
指揮官はそう語ったが、エンジン全開で飛ばし続けるため、最後まで持たない選手も出てきた。それでも交代枠をフル活用し、最後まで大宮らしくインテンシティを落とさない。すると90分、相手のクリアをMF宗形みなみがヘッドで右につなぐと、ボールを受けた途中出場のMF大島暖菜が縦に突破。思い切り良く打った右足シュートが決まり、ダメ押しの4点目を奪って試合を締めくくった。
アグレッシブな守備を徹底できた要因について柳井監督は「レッドブルだからです。エナジーです」と笑いを交えながら明かしたが、2024年8月にレッドブルが買収し、RBグループとなった成果は表れ始めている。乗松はこう明かす。
「うまくいかなくても、最後はみんなで体を張って走り切って守ればいい。迷ったら、まず陣地を挽回する。シンプルに優先順位から逆算していく。うまくいかないときや、迷ったときに立ち返る場所があるのは大きい」
この日の勝利でグループAではサンフレッチェ広島レジーナに次ぐ2位をキープ。エネルギッシュな大宮のスタイルを貫いて今大会、そしてリーグ戦で成果を得られるか注目だ。
取材・写真◎森田将義

