上写真=ホームのN相模原(赤)が前半のリードを守り切って今大会初勝利を挙げた(写真◎森田将義)
■2026年2月28日 WEリーグクラシエカップ・グループステージ第3節(@ギオンス:観衆456人)
N相模原 2-1 C大阪
得点:(N)笹井一愛2
(C)米田博美
「すごく大きな一歩」
N相模原は今大会のグループステージ2連敗、リーグ戦も2026年に入ってから1分け1敗と白星から遠ざかっていた。「本当に窮地のゲームだった」と小笠原唯志監督が語った今節に臨むにあたり、サイド攻撃を仕掛けるために従来の4バックから3バックに変更。トレーニングでは前線から頻繁に中盤へと落ちるC大阪MF脇阪麗奈を中心に、ポジションを巧みに入れ替える相手の攻撃を捕まえるため、入念な守備練習を行なったという。
「みんなで無理難題をクリアしてくれた」と指揮官が評したように、練習での走行距離が多く、この日は試合終盤に足がつる選手が出るほどタフだったが、取り組みの成果は試合開始早々に表れる。7分に高い位置でのボールを奪取から、MF祐村ひかるが右サイドのスペースへ。走り込んだFW大竹麻友がゴール前に送ると、反応したのはコンディション不良から復帰し、3試合ぶりの出場となったFW笹井一愛。「麻友さんだったら絶対に出してくれるだろうと思った。麻友さんのパスがすべてで、自分が流し込むだけでした」と振り返るアシストに左足で冷静に合わせ、先制に成功した。
N相模原が幸先の良いスタートを切ったものの、C大阪も前半のうちに追いつく。20分にサイドを崩してCKを与えると、脇阪のキックからDF米田博美がヘディングシュートを決めて1-1とした。
それでもN相模原の選手に気落ちした様子は見られない。2回目の歓喜を呼び込んだのも笹井一だった。これまでウイングとして縦突破からのクロスを意識していたが、この日はシステム変更により最前線でプレー。「点を取るのが自分の役割だった。中央で、よりチャンスが生まれやすい場所に顔を出そうと意識していました」。そう話すように、ポストプレーで基準点となりながらチャンスをうかがうと、25分に祐村のパスから右サイドを駆け上がったDF南里杏がクロス。飛び出した相手GKの頭上を越えたところで、待ち構えていた笹井一がヘッドで合わせ、再びリードを手にした。
後半に入ると、50分に脇阪の落としからDF中西ふうがクロスを上げるなど、C大阪が敵陣に侵入する回数を増やすが、決定機は作れない。「ボールをしっかり動かしながら相手のギャップを取る。さらに出口を見つけて相手をはがしていく。攻撃の動かし方、関わり方は最近の2試合と比較すると積極性が見られた」と松田岳夫監督は評価した一方で、「連係面でうまくいっただけで、最後に相手を1対1ではがしていく、ゴールに向かう迫力を持つ、といったところでの執念は感じられなかった」と課題を口にしたように、ゴール前でのエネルギーを欠いた印象を受ける展開となった。
N相模原も59分に左サイドを抜け出した笹井一のシュートが枠の外に外れるなど、惜しい場面を作りながらも3点目を奪えずにいると、終盤はC大阪が押し込む時間帯を作る。「はがすのではなく、前から奪う」(松田監督)ため、4バックから3バックに変更し、自陣からの組み立てではなくロングボールを選択し、競り合ったこぼれ球を狙ったが、N相模原は最後まで集中力を切らさず、逃げ切りに成功した。
2026年初勝利、今季カップ戦初勝利はチームにとって価値がある。笹井一は「今日、勝ち切れたのはすごく大きな一歩だと思いますし、この勢いを途切れさせてはいいけない」と語り、勝利を浮上のきっかけにつなげていく決意を示した。
取材・写真◎森田将義

