ITスポーツ連盟が主催する「第22回ITサッカーリーグ」の全日程が終了し、JBSが6大会ぶりの優勝を飾った。昨年まで3大会連続で2位と、優勝にあと一歩届かないシーズンが続いたJBSだが、ようやく2度目のタイトルをつかみ取った。

上写真=NSSOLとの上位争いを制したJBSが2度目の優勝(写真◎藤井勝治)

JBSが4連覇を阻む

 王者NSSOL(日鉄ソリューションズ株式会社)の4連覇を阻んだのは、JBS(日本ビジネスシステムズ株式会社)だった。

 10月18日(土)にフロンタウン生田で行われた第5節は、首位JBSと2位NSSOLの上位直接対決となった。第2節の対戦は、後半にJBSが同点に追いついて1-1のドロー決着。約3カ月ぶりの再戦を迎えるにあたり、ここまで2勝1分けで勝ち点7のJBSに対して、NSSOLはまさかの未勝利で勝ち点は2。この試合が今季最終戦となるJBSは、引き分け以上で優勝が決まるという条件だった。

 NSSOLにとっては勝利が優勝への絶対条件。しかし、序盤から試合を優勢に進めたのはJBSだった。「まずは失点しないことを最優先した」と大和将也キャプテンが語ったようにリスクマネジメントを徹底しながらも、チームのスタイルである自陣からのビルドアップを貫き、前半のシュート数は4本。対するNSSOLは0本に終わった。

画像: 得意のロングシュートで果敢にゴールを狙ったJBSの木下諒人(写真◎川口洋)

得意のロングシュートで果敢にゴールを狙ったJBSの木下諒人(写真◎川口洋)

 後がないNSSOLはエースの矢野将伍を前半途中から、第2節の対戦で先制点を決めた森太一を後半開始から投入し、攻撃のギアを上げていった。すると38分、ロングボールに抜け出した木村俊介が相手GKの位置を見てループシュートを狙うが、惜しくも枠を捉えられず、この日一番のビッグチャンスを逃してしまう。

 その後はCB住谷恵太を中心とするJBS守備陣が集中を切らさず、「全員が共通意識を持って戦えたことが無失点につながった」と大和キャプテン。隙のないディフェンスで相手に決定機を与えず、0-0のままタイムアップの笛が吹かれた瞬間、JBSの6大会ぶり2度目の優勝が決まった。

第5節 JBS 0-0 NSSOL

画像: 試合後に健闘を称え合うJBS、NSSOLの選手たち(写真◎川口洋)

試合後に健闘を称え合うJBS、NSSOLの選手たち(写真◎川口洋)

最終戦でNSSOLが初勝利

 11月1日(土)には今季最終戦となる第6節、IKI(アイエックス・ナレッジ株式会社)対NSSOLが北市川フットボールフィールドで行われた。すでに優勝は決まっていたが、両チームともに今季初勝利を目指す戦いとなった。

 開始早々の4分、CKのチャンスを得たIKIは、村関岳志のキックに湊谷仁が頭で合わせて先制。対するNSSOLも前半アディショナルタイム、倉田義将がペナルティーエリア外から目の覚めるようなボレーシュートを突き刺し、互いに1点ずつを奪って前半を折り返した。

 エンドを変えた後半はNSSOLが主導権を握り、34分に椿野駿平のクロスから真辺将弥が逆転ゴールを奪うと、50分に椿野が勝利を大きく手繰り寄せる3点目をゲット。最終戦で今季最多の3ゴールを奪ったNSSOLが、勝利でシーズンを締めくくった。

第6節 IKI 1-3 NSSOL

【得点】4分:湊谷仁(IKI)、30+3分:倉田義将(NSSOL)、34分:真辺将弥(NSSOL)、50分:椿野駿平(NSSOL)

画像: セットプレーから先制点をマークしたIKIの湊谷仁(写真◎川口洋)

セットプレーから先制点をマークしたIKIの湊谷仁(写真◎川口洋)

画像: NSSOLの真辺将弥がクロスに合わせて逆転ゴールを奪った(写真◎川口洋)

NSSOLの真辺将弥がクロスに合わせて逆転ゴールを奪った(写真◎川口洋)

毎試合が熱くなるリーグを期待

 約5カ月間にわたり、IT関連企業3社によって争われた「第22回ITサッカーリーグ」はJBSの優勝で幕を閉じた。

 JBSは2015年の第14回大会で悲願の初優勝を飾ったが、その後は上位争いに加わりながらも頂点には届かず、コロナ禍による中断を経て再開された第19回大会(2022年)以降は3年連続で2位に終わっていた。

 そのせいか、優勝が決まった直後は安堵の表情を浮かべる選手が多かった。しかし時間が経つにつれて笑顔が弾け、大和キャプテンは「前回の優勝メンバーとは大きく入れ替わっているので、チーム一同、初優勝のような新鮮な気持ちと喜びでいっぱいです」と喜びを語った。

画像: 6大会ぶりの優勝を決めたJBS。第5節に出場したメンバーで記念撮影(写真◎川口洋)

6大会ぶりの優勝を決めたJBS。第5節に出場したメンバーで記念撮影(写真◎川口洋)

「打倒NSSOL」という目標を掲げて臨んだ今季のJBSは、2度の直接対決を落とさず、しっかりと勝ち点を積み上げた。大和キャプテンは「年齢や立場に関係なく意見を出し合い、試合ごとに柔軟にメンバーや戦術を調整できるようになったことが大きい。チーム全体の対応力が成長したと感じています」と優勝の要因を語るとともに、初の連覇に挑む来季に向けて「より多くの企業が参加し、毎試合が熱くなるリーグになることを期待しています。様々な企業と対戦し、さらにレベルアップしたいです」と抱負を語った。


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