2025/26シーズンのSOMPO WEリーグ第11節が10月18日に各地で行なわれ、三菱重工浦和レッズレディースとセレッソ大阪ヤンマーレディースが対戦。立ち上がりに先制点を奪った浦和が、次々とネットを揺らして計4得点。守っても無失点に抑え、ホームでの前半戦最後のリーグ戦で完封勝利を収めた。

上写真=ホームで4得点を奪った浦和が2位に浮上してリーグ前半戦を終えた(写真◎森田将義)

■2025年10月18日 WEリーグ第11節(@浦和駒場:観衆1.397人)
浦和 4-0 C大阪
得点:(浦)島田芽依、平川陽菜、伊藤美紀、丹野凜々香

「より良いサッカーにできるよう頑張っていきたい」

 シーズン前にDF石川璃音、DF遠藤優、MF塩越柚歩、MF猶本光など、これまでチームを支えてきた主力が移籍で退団し、1からのチーム作りを進める浦和だが、堀孝史監督が「みんなでトレーニングとミーティングをやっていく中で、守備と攻撃で自分たちのコンセプト、共有できる部分が増えてきた」と語るように状態は上向き。リーグ前半戦最後の試合を白星で締めくくるべく、序盤からアグレッシブに仕掛けていった。

「チームとして目指している、つなぐサッカーだけでなく、ダイナミックなプレーを加えて、いろいろな攻撃の形ができている」。MF伊藤美紀の言葉通り、自陣からパスをつなぎながら機を見て相手DFの背後を狙う攻撃が立ち上がりから機能した。6分には敵陣でボールを奪ったMF加藤千佳が右サイドに展開。MFタンチュリエ・ローリーがドリブルから中に入れたボールをFW島田芽依が右足で合わせ、幸先の良いスタートを切った。
 
 その後も浦和のペースが続く。「見ておくところ、つながっておくところは練習からみんなすごく意識しているので、それを試合で発揮できてよかった」と振り返ったMF平川陽菜が、伊藤とともにテンポ良くボールを動かして見せ場を作ると、27分には島田の左からのクロスをC大阪GK名和咲香がはじいたところを、平川が蹴り込んで2点目。37分には最後尾からのビルドアップを狙ったGK名和のキックを島田がインターセプト、左から折り返したボールを伊藤が詰めて3-0とした。

 一方、C大阪にとっては苦しい前半に。試合後に松田岳夫監督は「腰が引けて、相手のプレッシャーを怖がっていた。ボールを受けたくない、そういう姿勢でボールを受けるからプレッシャーを受けてしまい、出すところがない。前半は負の連鎖が起こっていた」と語った。

 指揮官は「出場機会が少なくても、グラウンド上で何とか表現しようとしている選手たちが、トレーニングでアピールしてきている。そうした選手を使いたかった」と、ハーフタイムに4人を一度に交代。何とか反撃の糸口を探ろうとしたが、開始直後に前線でボールを収めた浦和DF高橋はなのパスから、MF丹野凜々香にシュートを打たれるなど、状況は好転しない。
 
 浦和は56分、またも相手のビルドアップを狙ってボールを奪い、丹野が4点目。ただ以降は「リードがある中でも、さらに追加点を決めたかった。攻撃で良い流れを作りたかったのですが、ミスが増えてしまった」と平川が語ったように、徐々に攻撃の勢いが低下した。
 
 何とか一矢報いたいC大阪は、75分に相手CKのクリアを拾ったMF百濃実結香がドリブルで相手ゴール前まで持ち込んだが、シュートには至らない。83分には前線で一人気を吐いたFW田子夏海が左サイドを突破して左足で狙ったが、浦和GK池田咲紀子の左足でのセーブに阻まれた。
 
 4-0で勝った浦和は日テレ・東京ヴェルディベレーザと入れ替わって2位に浮上した。好調の要因は、11試合でリーグ最少の4失点という堅守。伊藤は「しっかりゴール前で全員が体を張れている。GKを含めて守れていることが最小失点の大きな要因だと思いますが、今シーズンは前線からのハイプレスを、ずっとチームとして意識的に取り組んできた。前から行きつつも、外されたら最後はゴールを守ることをチームでしっかり整理できて、みんながやれているのが大きい」と胸を張った。
 
 そのハイプレスから3得点を奪い、攻撃も結果を出して前半戦を終了。後半戦は相手の対策が進むと予想されるため、「積み上げてきたものにプラスして、より良いサッカーにできるよう頑張っていきたい」と伊藤は続け、目標の王座奪還に向けて一歩一歩、着実に前進していく意気込みを示した。

取材・写真◎森田将義


This article is a sponsored article by
''.