上写真=初優勝に貢献した鈴木。中盤の底で存在感を放ち、チームを引っ張った(写真◎高野徹)
HUMAN FCで「サッカーにのめり込んで」
近年は大学の準体育会・同好会・サークルの日本一を決める大会と位置付けられ、代々の選手・女子マネジャーに『マガ杯』『マガジン杯』の愛称で親しまれているサッカーマガジンカップ。12日の決勝トーナメント決勝で同志社大学三ツ葉キッカーズAと対戦した早稲田大学HUMAN FC Aは、延長の末に3-1で勝利し、どちらが勝っても初優勝の一戦を制して頂点に立った。
予選リーグからの全8試合で失点したのは決勝のみという堅守が光ったチームで、キャプテンマークを巻いた鈴木はボランチとして攻守の中心に。豊富な運動量で広範囲をカバーし、優勝に大きく貢献した。
今年はサッカーマガジンカップの前に3つの大会に出場したものの、結果は2位、3位、3位で「ベスト4に行ってから、なかなかタイトルまで届かない状況だった」と振り返る。あと少しの壁に阻まれてきただけに、「練習から雰囲気を変えて取り組んできた。それがマガ杯で出て、優勝できて本当によかった」との成果につながった。
八千代高(千葉)3年時の2022年12月、翌年のプリンスリーグ関東2部昇格への参入戦に出場。昇格を懸けた5位決定戦がPK戦にもつれ込み、最後に自分のキックがGKに止められて昇格を逃したことで「一度、サッカーは燃え尽きた」という。
しかし、早稲田大進学後にHUMAN FCに入ると「やっぱりサッカーが楽しくて、のめり込んで」再び競技と向き合い、本気で練習を重ねてきた。今回のマガ杯決勝は前半に先制したものの、後半に大会初失点で追いつかれて10分ハーフの延長に突入する苦しい展開。それでも「ここまで戦ってきたマガ杯の、ラスト20分。全力で楽しんで、全部出し切れと声を掛けて」仲間を鼓舞し、延長での2得点につなげた。
初優勝を成し遂げたことで、後輩たちは来年、連覇への重圧とも戦うことになるが「後輩たちのことは、何も心配していません」と笑顔。「今年は今年なので、来年は自分たちらしく頑張ってほしい」と期待を寄せていた。
取材◎石倉利英 写真◎高野徹
