サンフレッチェ広島DF市瀬千里が、チームの危機を救う活躍でホーム開幕戦での勝利に貢献した。8月17日に行なわれた2025/26シーズンのSOMPO WEリーグ第2節・INAC神戸レオネッサ戦で、CBでコンビを組むDF左山桃子が立ち上がりに負傷交代。難しい状況で終盤に失点こそしたものの、チームは勝利をつかみ、試合後は涙ぐむ場面も見られた。

上写真=緊急事態のディフェンスラインをリードした市瀬(左)。ホーム開幕戦での勝ち点3獲得に貢献した(写真◎石倉利英)

■2025年8月17日 WEリーグ第2節(@Eピース:観衆9.677人)
広島 2-1 I神戸
得点:(広)上野真実、オウンゴール
   (神)太田美月

「勝利の要因は華にもある」

 広島のホーム開幕戦はアクシデントから始まった。8分にキャプテンのDF左山が相手との接触プレーで右ヒザを負傷し、一度はピッチに戻ったものの、17分でDF塩田満彩と交代。右SBの嶋田華がCBに、右のCBだった市瀬が左にスライドして対応した。

 CBのパートナーに加えて立ち位置も変わる緊急事態。「まさか、ももさん(左山)が前半でケガをしていなくなるとは思っていなかったので、焦りもあった」というが、一方で「ももさんに頼ってきたところを、全部自分がやるという責任感がすごく増した」と振り返る。

 嶋田との連係で「華を引っ張れるようなプレーをしたいと思っていましたけど、華に引っ張られるシーンも多くて。想像以上に華がセンターバックをまっとうして、リーダーシップを発揮してやってくれたので、勝利の要因には華にもあると思う」と称えた。一方で自身もボールへの激しいチャレンジなど獅子奮迅の活躍。7月のE-1選手権で、なでしこジャパンのチームメイトだったI神戸FW吉田莉胡と激しいバトルを繰り広げ、ゴール前でのシュートブロックなどで得点を許さなかった。

 広島は82分にCKから失点して追いつかれたが、後半アディショナルタイムの90+5分にオウンゴールで勝ち越して勝利。試合後に涙を流していた理由を聞かれると、失点への申し訳なさに加えて「前節からメンバーが2人変わって、メンバー外の選手とか、ケガとか、いろいろな思いがある中で、みんなが本当に喜んでいるところを見て、ちょっと…」とチームメイトへの思いを明かした。

取材・写真◎石倉利英


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