5月4日に行なわれた2024-25シーズンのSOMPO WEリーグ第20節で、サンフレッチェ広島レジーナとノジマステラ相模原が対戦。今季限りでの引退を発表しているS広島Rの近賀ゆかりが、現役最後のホームゲームで先発出場して56分までプレーした。試合は相模原が前半に先制したものの、S広島Rが追いついて引き分け。試合後、なでしこジャパン世界一メンバーなど豪華な顔ぶれが駆けつけ、引退セレモニーが行なわれた。

上写真=キャプテンマークを巻いて現役最後のホームゲームに臨んだ近賀。負傷明けながら攻守に力を振り絞ってプレーした(写真◎石倉利英)

■2025年5月4日 WEリーグ第20節(@Eピース:観衆11,879人)
S広島R 1-1 N相模原
 得点:(広)嶋田華
    (相)大竹麻友

「本当に感謝しています」

 日テレ・ベレーザ(現日テレ・東京ベレーザ)、INAC神戸レオネッサなど国内だけでなく、イングランド、オーストラリアなど国外のクラブでも活躍を続けてきた近賀は、2020年12月にWEリーグ参入に向けて創設されたS広島Rに加入。翌21年9月に開幕したWEリーグ初年度から、ゼロからスタートしたクラブをプレー面だけでなく、精神面でも支える働きを見せてきた。

 40歳となって迎えた今季も開幕から先発出場を続け、昨年9月のリーグ第2節では得点も決めるなど衰え知らずの活躍を見せていたものの、第5節で左ヒザ前十字靭帯損傷の重傷を負って戦線離脱。今年4月に今季限りでの現役引退を発表したが、当初の診断で全治8カ月だったものを約6カ月に短縮して4月26日の第19節で復帰し、この日の現役ホーム最終戦に臨んでいた。

 立ち上がりの7分に先制したのは相模原。S広島Rの選手がエリア内でカットしたボールがこぼれたところを、FW大竹麻友が蹴り込んでネットを揺らした。中盤の一角でプレーした近賀は相手のシュートをヘッドでブロックするなど奮闘したものの、S広島Rは前半シュート1本に終わり、相模原の1点リードで前半を終えた。

 近賀は56分にMF中島淑乃と交代。ピッチを去る際は両チームの選手・スタッフや審判団が花道を作って送り出した。レジェンドの最後のホームゲームを勝利で終えたいS広島Rは70分、MF柳瀬楓菜のパスからDF嶋田華が鮮やかなミドルシュートを決めて同点とする。その後はS広島Rが主導権を握ったが、相模原も逆転は許さず、勝ち点1を分け合った。

 試合後は近賀の引退セレモニーが行なわれ、花束贈呈では両親やパートナーに加え、澤穂希氏をはじめとする2011年女子ワールドカップ優勝メンバーや、監督だった佐々木則夫氏も登場した。近賀は言葉を詰まらせながら「この素晴らしいクラブで現役の最後を迎えられることに、本当に感謝しています」などとあいさつし、ファン・サポーターに向けても「これまで支えてくださって、ありがとうございました。皆さんは私の誇りであり、自慢です」とコメント。チームメイトには「サンフレッチェのエンブレムをつけて、まず来シーズン、日本のトップを目指してください」とエールを送り、万雷の拍手を浴びながらホーム最終戦を終えた。

取材・写真◎石倉利英


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